焼き菓子「マームール」(mamoul、maamoul)は、ペースト状にしたドライフルーツやナッツのあんを、小麦粉の生地で包んで焼いたサクサククッキーです。カルダモン、シナモンなどの香辛料を入れたりもします。
中身については、ナツメヤシの実や、干しイチジクや、クルミや、ピスタチオなどのナッツを使います。果物とナッツを混ぜる場合と、果物だけのあん、砕いたナッツに風味付けしたあん、と分けて使う場合と色いろあるようです。
中身に使うなつめやし(デーツ)の生産はエジプトが世界一だそうです。
エジプト以外にレバノンやシリアでも見られ、古代エジプトとも関係が深いお菓子です。
古代エジプトで保存食としてドライフルーツは大切にされてしました。ナッツもファラオの墓に一緒に埋葬されていた事から古代から食べられていたと分かっています。ナッツはエジプトのお菓子によく使われています。
エジプトは暑い気候のため疲れを取るため砂糖やはちみつをたくさん使うお菓子が多いのですが、このマームールは飾りの粉砂糖以外に砂糖はいれません。なので他に比べて控えめな甘さのお菓子です。
(他項目のオム・アリも日本用レシピは砂糖の量が減らしてありますが実際は数倍入れるそうです)
手で包んで丸いクッキーにする以外に、日本の和菓子のように生地を木型に詰めてきれいな形にして焼いたりもするそうです(近年だとシリコン型もあるとか)この木型は日本でも中東系の雑貨店で入手できます。山形のものが伝統的な形だそうです。
こちらはマームールの紹介記事です
マアムールとアジュウェ
マームールのレシピ
どんな国?どんな味?世界のお菓子〈3〉中東・アフリカのお菓子
マームールはエジプト風クッキーとして紹介されています。子供向けの本なので、比較的入手しやすい材料になっています。
バター・薄力粉・オレンジオイル・牛乳を混ぜた生地に、クルミ・干しいちじく・オレンジオイル・シナモンパウダーで作ったあんを入れて焼くレシピです。
「オレンジフラワー水」も「オレンジオイル」となっていますが、ざっくり検索した所この名前で食用のものを探すのはちょっと手間かもしれないです…。というわけで「オレンジエッセンス」(バニラエッセンスの親戚)で検索したものを貼っときます。
基本的には「生地にオレンジ風味をつける」のが目的のようなので、粉末オレンジジュースでも良いようです。
またカルダモン等のスパイスも入れるようです。紹介しているレシピでは日本人向けにスパイスは抜いているのではと思うので、英語やアラビア語でレシピを探すとスパイス入りのものを見つけられるかもしれません。
ママがサウジの子からもらったおみやげ〜粉末オレンジジュース!カルダモン、ミントなどなど、特に彼女のお兄さんが作ったデーツが美味しいーマームールうまく出来ましたね〜中はデーツの餡です。アラブ世界ではとてもポピュラーなお菓子です。サクサクのビスケット生地です。 pic.twitter.com/k7PgchaNi2
— chef (@CarthagoChef) May 17, 2017
ママがサウジの女の子と作ったマームール。一週間位経ちましたが、まだまだ美味しいです。中はデーツの餡が入っていてカルダモンが効いた味です。アラブ世界ではポピュラーなお菓子です。サウジの女の子はシリコン製の型で作ったとか!ウチにあるのは昔ながらの木彫り。和菓子に通じるものがあります。 pic.twitter.com/X4vmoykAXU
— chef (@CarthagoChef) June 6, 2017
中野の料理店カルタゴのシェフのツイッターより、マームールに関してのツイート2件です。
中野堯子と加藤貴美恵の中東料理教室
中野堯子と加藤貴美恵の中東料理教室
このサイトのレシピはどこの国にもある、伝統的なアラブ料理です。そのため、できるだけ元の形や味から離れないようにしました。
しかし、私たちは日本人です。味に工夫をしました。私たち日本人の味覚にも合う、とてもおいしいアラブ料理になりました。
中身に使うデーツは最近では輸入食材を扱うお店で見かけるようになってきました(成城石井で見かけた)。このレシピではデーツとクルミを合わせたあんを使っています。
クッキー生地にドライイーストを入れるレシピです(こちらのほうがよく使われる生地のようです)。
ファラオのレシピ―古代エジプトの料理ブック
クッキー生地にドライイーストは使わず、中身はクルミ・干しいちじく・オレンジエッセンス・シナモンというレシピが掲載されています。
上の「どんな国?どんな味?世界のお菓子〈3〉中東・アフリカのお菓子」と同じレシピです。
[…] 焼き菓子「マームール」 […]