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古代ギリシャの食事のレシピ

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古代ギリシャの料理にどんな物があったかについて。

 

 

図解 食の歴史 – Google ブック検索結果

穀物が入手できるようになってからは大麦のひき割り粉の粥、それに豆類やゴマを食べた。農民などはこの大麦のひき割り粉にミントを混ぜた「キュケオン」という清涼飲料水を飲んでいた。キュケオンは聖域での儀式の時にも飲まれたという。

 

 

メモ

この本で出てくる古代ギリシャの食事の習慣に「食事で汚れた手は『アミロン』という小麦粉の練り玉で拭き取る。使ったアミロンは床に捨てられ、犬や猫が食べた」とあります。

この「麦粉を練ったもので手を拭う習慣」は、チベット料理のツァンパ(後述)を食べる時の正式な作法として現代でも僧侶の方が行っているようです。

 

 

 

 

Ancient Recipes(古代のレシピ)

別項目で述べたキュケオンとプティサネの違いについて。

図解 食の歴史 – Google ブック検索結果によると、キュケオンは「大麦のひき割り粉にミントを混ぜた清涼飲料水」、プティサネーは「大麦を煎じた飲料」とのこと。

※ 挽き割り麦—大麦または小麦を蒸して乾燥させたものを「挽き割り麦」といいます。
大麦用語  大麦探検島

「蒸して乾燥させた麦」なのかは一旦保留。

 

 

 

つぎは古代の再現料理を多く扱っているHPです。

下記は英語のサイトなのでgoogle翻訳に突っ込んで読んでください。

古代のレシピ:Ptisane [大麦の水](ギリシア語、少なくともBC5世紀)

小麦のパンが地中海の世界の好みになった後でさえ、 大麦は、人類が食べる最初の穀物としての特別な意義を保持しました。 ギリシア人は貴重な大麦を多くの形で摂取しました:パン、焙煎小麦粉またはマザ (ここで再建されたレシピ)、およびキュケオンkykeon、およびプティサネ ptisane (πτισάνη, ptee-sah-nay)などの飲料で。

古代近東の人々はビールを大麦で作りました。ギリシャのキュケオンとプティサネは発酵させませんでしたが、どちらもワインと混ぜることがありました。 2つはしばしば互いに混同され、4世紀の文法レキシコンgrammar lexicon(語彙目録) で同じものと見なされる。 そして、どちらも、現代の食べ物と飲み物の間の境界をぼやけているようです

 

では、キュケオンkykeonとプティサネ ptisaneの違いは何ですか? 彼らの名前の語源には一つの手がかりがある。

Kykeonは文字通り「混合物」を意味する。 ptisaneは動詞のptísseinに由来し、剥がれたり潰れたりする。kykeonの主な成分はアルファ 、大麦の大麦粉または小麦粉であり、「プティサネ」という言葉は、殻をはく (剥がした)大麦のほか、それらから作られた飲み物を指すことができます。

生存している文献では、ptisaneは(麦粒を?)濾し取った状態と濾していない状態で存在する。 kykeonはしません(麦を除かない?)。

だからkykeonは現代のグリッツやポレンタに似ていましたが、ptisaneは水中で調理された全粒粉、あるいはひどい場合は大麦の水で構成されていました 。

Ancient Recipe: Ptisane [Barley Water] (Greek, at least 5th century BCE)

https://passtheflamingo.com/2018/01/30/ancient-recipe-ptisane-barley-water-greek-at-least-5th-century-bce/

※マザ/マーザ 炒った大麦粉に塩などの調味料を加え油脂や水で練ったもの。固形以外に粥状の場合もある(超大雑把説明)

 

※グリッツgrits 現代の料理でアメリカ南部で食べられている。乾燥させたとうもろこしを挽いた粉(みた感じ粗挽き)で作ったおかゆ。

 

※ポレンタpolenta 現代のイタリアのとうもろこし粉を煮てペースト状にした料理。元はローマの小麦粉お粥とも言われている。

 

※水中で調理された 加熱しないで吸水だけさせた、という意味?

 

同記事で大麦水のレシピも提示しています。出来上がりの感想を読むと、初回はうまく行かなかったがもっと美味しくするので次回以降をお楽しみに的な事が書いてあります。

レシピ

大麦1杯
水6カップ
ハチミツ大さじ1
新鮮なミントおよび/またはオレガノのそれぞれのいくつかのスパイス

中低温で水を沸騰させてください。 大麦を調理するまで、大麦を加え、20-25分間煮る。

火からおろして、濾して(水と麦を分離して)、ボウルに水を貯留する。

調理した大麦は別のレシピに使うために水と分けて保存します(ただし、穀物のギリシャの女神、Demeterの怒りを起こしたくない場合)。

水がまだ熱い間に、ハチミツとハーブを加えます。 20分後にハーブを取り出し、蜂蜜が溶解するように十分に攪拌します。

他の形態の茶と同様に、ptisaneは暑いまたは寒い季節に楽しめます。

 

感想

乳白色の大麦の水は、蜂蜜とオレガノとミントからのわずかなスパイスが元の軽い甘味を帯びていた。

私はそれを興味深く思いました。私はそれが特に古代ギリシャとは感じませんでしたが、それは本当に爽やかな氷の冷たい味を欲しいときに提供したい。

Ancient Recipe: Ptisane [Barley Water] (Greek, at least 5th century BCE)

https://passtheflamingo.com/2018/01/30/ancient-recipe-ptisane-barley-water-greek-at-least-5th-century-bce/

機械翻訳べた張りなので原文参照してください…。

 

あと興味深い文章は

栄養豊富で豊富であることとは別に、穀物の調理から残った水は、古くから沸騰していた淡水よりも飲みやすくなりました。

当時は水がまずい→酢とかワインを殺菌や風味付けで加えた、ワインの方が飲み物として信頼性があった、という時代だったそうです。

それに加えて、現在だと大麦は煮えやすく加工された状態で売られているので意識していませんでしたが、未加工だと二度茹でが必要な穀物だとかなんとか(※ソース失念)。古代の調理だとそれだけ燃料を使って茹でた上で煮汁を捨てるのはもったいないと考えたのかもしれません。

水も煮沸して飲んだほうが安全だと分かっていたと思いますが、湯を沸かすにも燃料が要るし手間がかかる→調理時に出る余った水も無駄にしたくない→麦茹でた水も風味付けすればおいしく飲める、的なつながりでこの麦汁ドリンクが成立したのではと考えたのですが、実際はどうだったんでしょうね。

 

日本だと米がメインだし、現在だと米は炊くので水分が出ないし、飲み水は大部分の場所では困らないし、などなど、現在の自分たちには前提が想像しにくい状況なのだなあと思います。

 

 

 

 

マーザ( μᾶζα maza)ってどういう料理?

大麦粉を練ったという謎の古代料理について。

詳しく調べてくれていたかたが居た(拝)

古代ギリシアの食い物「マーザ」について その1

http://ipelo.blog101.fc2.com/blog-entry-38.html

古代ギリシアの食い物「マーザ」について その2

http://ipelo.blog101.fc2.com/blog-entry-39.html

 

あと地味にありがたかったのが英語版wikipediaの古代ギリシア料理の項目へのリンクがあったことで、見に行ってみたらキュケオンあるある。

マーザの説明はこんな感じ(機械翻訳)

大麦は生産するのが簡単だったが、パンを作るのは難しかった。
それは栄養はあるが非常に重いパンを提供した。[37] このため、フライス加工の前に焙煎され、基本的なギリシア料理であるμᾶζα(maza)を作るために使用された粗粉 ἄλφιτα (alphita)を作りました。
喜劇「平和」で、著者のアリストパネス(Aristophanes)は、文字通り「大麦のみを食べる」という表現を、英語の「パンと水の食事」に相当する意味で使用している[38]。

mazaの多くのレシピが知られています。それは、調理されたものでも、生のものでも、肉汁としてでも、餃子やフラットブレッドにしてもよい。[30]

小麦のパンのように、チーズやハチミツで増強することもできます。

英語版wikipediaの古代ギリシア料理より

 

このブログの方が絶賛していた本があったのでメモとして貼っておきます。古い本だけど図書館によってはまだ置いてあるみたいなのでよかった…。

 

 

あとは別の項目でも出した英語の再現料理ブログの記事も。

ギリシア人は、 野蛮人のための飲み物としてビールを嫌った 。 彼らはお粥とパンを作って、他の古代の人々と大麦のパンは本当に問題の価値がないと同意した。 しかし、彼らの好みは、大麦を粥とパンの間のどこかで独特な形で提供することでした。 maza(ギリシャ語の文字ではμᾶζαと呼ばれ、もともとは「mahsdah」のように発音される)という中間レシピ。

Mazaは火の上で 焼かれたπlphita : 大麦の粉として始まり、 それに暗い茶色の色とナッツの香りと風味を与えます。 この豊富な小麦粉は、温水と少量の油(そしておそらく塩)を含む生地に混ぜられます。 小麦粉はすでに調理されているので、焼きは不要です。 その後、 マザはボールまたはパンケーキに成形される。 時には小さなマザの餃子を汁に加えて古代のマッツォボールスープを作りました。

Mazaは、認識可能なギリシア文明の出現の前にさかのぼると考えられており、BCE 600年代に住んでいたArchilochusのような非常に初期のギリシャの著者によって参照されています。 Mazaは、生産するのに非常にわずかな努力や技術しか必要とせず、栄養豊かで汎用性が高い。 大麦を使った多くの古代文化のそれは驚くべきことではありません。ギリシア人はこの特定のレシピを考案した唯一の者ではありませんでした。 チベットでは、非常に似た料理が「 タンサ/ツァンパ(tsampa )」と呼ばれ、今日でもチベット人は「tsampaを食べる人」と呼ばれることもあります。

https://passtheflamingo.com/2017/05/24/ancient-recipe-maza-ancient-greek-ca-2nd-millennium-bce/

レシピも載ってました。

大麦粉炒めてから丸めるのか!だからキュケオンの再現レシピ(英語)について、大麦粉炒めてから煮込んでた人いたのか。(オウィディウスの「変身物語/メタモルポーセース」女神デメテルの神話だと、大麦は脱穀する前に煎ったものという記述がある)

あとmazaのレシピ見てるとあれだ、きなこ棒(きなこ+ハチミツ)の、麦こがし+バターバージョン。

 

余談ですが、このツァンパは小麦や豆の粉でも作るそうです。

東京外国語大学学術成果コレクション >

チベット料理 ─大麦と小麦からみえてくるもの

http://repository.tufs.ac.jp/handle/10108/74364

PDF直リンク(2011年に雑誌に掲載した記事のようです)

ツァンパの作り方食べかたがわかりやすく紹介されています。またリンク先の記事にはテントゥク(チベット風すいとん)のレシピも載っています。

あと、ツァンパを飲み物に入れる例も載っている(記事では密閉型プラカップで売られているらしいツァンパ入りミルクティーの写真が載っている)。

 

チベットの主食ツァンパに使う小麦の特長はこんな感じらしいです(下記は種子通販サイトの説明)。

チベット小麦の種

チベットで栽培されている古代小麦です。

スペルト小麦と近く、グルテンの含有量が低いことでも知られています。

痩せた極寒の土地での栽培に適しています。

チベットでは、Tsampa (ツァンパ)の原料として使われています。

http://www.marcheaozora.com/?pid=115046644

 

 

 

ネパールでも炒った大麦粉を食べる習慣があるようです

栄養価抜群! はったい粉で簡単手作りスイーツレシピ

宮本ちか子

ネパールの離乳食サトゥって、もしかしてはったい粉?

ネパールでは、離乳食や子どものおやつとして、「サトゥ」というものがよく食べられます。娘が小さい時、ネパール人の夫が、村のお義母さんからだと持って帰ってきたのがサトゥでした。

https://chiik.jp/articles/YM3h3

作り方読んだ感じだとツァンパと一緒のようです。

 

ネパールでも穀物粉を練ったものが主食らしいですが、こっちは色々ミックスしているみたいです。

ネパール料理店で食べられる「そばがき」って何? 巣鴨のお店に行ってきた

手前の「ディード」が今回の主役。

そば粉、きび粉、小麦粉、大麦粉、とうもろこし粉のブレンドです。

そば粉の割合が高いのか、ほぼそばがきでした。

そば粉オンリーのそばがきの粉っぽさはなく、プニプニしています。

知らなかったけど穀物の粉練って食べる文化圏って結構あちこちにある?(アフリカのシチューに添えられた何かの穀物を練ったものを食べつつ)

アレいつも正体不明だと思いつつ食べている…。見た目がマッシュポテトなんだけどもっとむちもちしていて、なんか食べ慣れない風味がする…。

 

 

はったい粉

日本のはったい粉がどのような食べられ方をされていたのかについて、大麦食品推進協議会のHPにてこんな記述が。

平安初期に編纂された『和名類聚抄』には「米麦を乾かし、これを炒って粉にし、 湯水に転じて服す。これを『みずのこ』あるいは『はったい』という」と記されています。

http://www.zenbakuren.or.jp/effect/index.html

説明だけ読むとmazaとだいたい一緒の食べられ方ですね!当時の世界標準の食べられ方だった模様。

 大麦の研究で有名な、岡山大学の武田先生のお話では、人類が原人だった100万年以上も前から、人類の祖先が野生の大麦を食べていた可能性があるとのことです。

作物としての大麦は、紀元前6000年ごろには、メソポタミア文明の発祥地であるチグリス・ユーフラテス両河流域において、すでに栽培されていました。 そして、人類の移動とともに大麦は世界中に広がっていきました。

日本では弥生時代の初期とみられる遺跡から、土器に付着した大麦が発見されています。 このことから弥生時代の農耕文化において、大麦はすでに重要な作物であったといえます。

http://www.zenbakuren.or.jp/effect/index.html

作物の伝播と同時に調理方法も移動していったのかもしれないですね。探せばそういう論文もありそうですが、そっち方面を探すと果てしなくなりそうなのでこの話は一応ここまで。

 

 

 

gofio

検索中に引っかかってきたのですが、カナリア諸島の「焙煎穀物や豆類を粉砕してヤギミルクやチーズ等の油脂と混ぜて食べられた」とか書いてあるので、これも同系統の食べ物っぽいのでメモ。ドイツ語のwikiより。

伝統的に、Gofioは大麦から作られました。 ローストされた穀物は、皮を用いて全粒として処理された。 より少量では、 小麦とマメ科植物が使用された。 穀物が乏しい時代には、木やシダの種子や様々な根が代用品となりました。 今日、カナリア諸島では、Gofiosの55%がトウモロコシ、19%が小麦、14%が小麦とトウモロコシの混合物、12%が他の穀物ミックスから作られています。 フエルテベントゥラ島では、大麦が一定の役割を果たしています。 ヒヨコマメ、ライ麦、オートムギ、キビ、および米の加工された量は全体的に統計的に1%以下にとどまっている。 フランスから輸入された小麦は42%で、原材料は主にカナリア諸島またはスペイン半島からのものです。 [4]

https://de.wikipedia.org/wiki/Gofio

 

英語wikiはもうちょっと詳しく書いてあって、Gofioの食べられている地域と、「チベットに似た食べ物がある」とも。

https://en.wikipedia.org/wiki/Gofio

 

ゴフィオを売ってる会社(ゴフィオ・ラ・モリネータ)のページあった。歴史わかりやすい。

https://gofiolamolineta.es/ja/content/6-%E6%AD%B4%E5%8F%B2

 

 

 

 

日本語で「マーザ」だと検索にあまり引っかからないので別の名前がある気がするのでそっちも調べようと思います。

 

 

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