キュケオーンのレシピの次は食材を買おうメモ。ここまで分かっている分についてメモしました。
小麦粉
エンマー小麦の小麦粉が欲しいところですが。
パーチナ ファッロ・デコルティカート(エンマー小麦(玄麦)) 500g オーガニック イタリア トスカーナ産
日欧商事 オーガニックエンマー小麦(乾燥) 400g ブランド: ソル・レオーネ
ざっくり探した感じ粒のものしか見つけられませんでした。自分で製粉できる人はこれでいいのではと思います。
※リンク修正した20/12月時点でリンク先品切れ。「ファッロ」(古代系小麦の総称)でまとめられているため明確にエンマ―小麦と明記している商品を探すのが難しい。
あとこちらの記事が興味深かったのでメモ兼ねてご紹介
製粉できない人はこちら。
デュラム小麦を使用したセモリナ粉(粗挽き)で黄色い色合いが特徴です。パスタの生地作りやピザやニョッキまた小麦粉の変わりにフリットなどにご使用いただけます。デュラムとは:小麦の品種。他の小麦よりも硬いのが特徴です。 セモリナとは:挽き方の名称「粗い穀粉」などの意。
デュラム小麦のご先祖がエンマー小麦と言われています。
デュラム小麦粉の国内産をざっくり探しましたがだいたい外国産なので、好きなメーカーのものでいいのではと思います。
スペルト小麦
2020年12月時点ではスペルト小麦の小麦粉も通販て購入が可能になっていました。
スペルト小麦(1kg) ブランド: 素材舎
リンク作った時点ではここが送料が最安でした(レターパック使用)。
他にも複数メーカーが販売していました。定番商品になってきているようなのでリンク先が品切れでも続けて検索してみたください。
スペルト小麦粉 西尾製粉 1kg スペルト小麦 古代小麦__
スペルト小麦粉 / 1kg TOMIZ/cuoca(富澤商店)
別の本で紹介されていたプルスのレシピではこちらを使っていましたということで追加。別記事にて紹介。
アインコーン
エンマー(二粒系)やスペルト(普通系)ではないですが。最も古いと言われている古代小麦の小麦粉が販売されているようです(2020/12月時点)
今回の「ローマの頃の粥をキュケオーンとして再現調理する」という目的から考えると、ローマの頃にはすでにエンマー・スペルト・デュラム小麦が合ったという話(諸説あり)なので、アインコーンは時代が古すぎ?とも考えられるのですが、こういうものもあるという参考でご紹介します。
[2020/3月までの販売元] ヒトツブコムギ アインコーン(Einkorn)の説明 [2020/4月からの販売元] 2020年4月1日より有機JAS認定アインコーン(古代小麦)の販売をスタートさせました
アインコーン(古代小麦)とは?
人類が初めて栽培した穀物。ローマ人により日常的に使われていた殻付き小麦のこと。
一般に普及している殻が取れた小麦(デュラム小麦、パン小麦)とは違い、脱穀の際、穀粒が殻から取れません。
チャヤ マクロビオティックス 数量限定【有機アインコーン全粒粉(2.5kg)】
※リアル店舗も有るようなので、通販でなくてもどこかで買えるのかも?チャヤマクロビ商品 取扱店
こちらは別の?通販ショップ。
アインコーン小麦粉で作ったケーキとか通販可能なので「とりあえず古代小麦のなにかを食べてみたい」人はこっちがいいかも。
大麦粉
粉を複数紹介しますが、とりあえずは好きなもので(推測・再現レシピが各種あるため、どれを作るかによって好きなもので)。
細引きの大麦粉
粒が大きいもの(粗挽き)
穀物繊維倉庫@有楽町交通会館
※アウトレット品の臨時入荷だったので、今後再入荷があるかは不明。
※2020/12月時点で、細引きの大麦粉は定番商品として置いていました。下の棚にひっそりあったのでわからない時は店員さんに聞くといいと思います。
はったい粉(麦こがし)
麦こがし200g【通販】【菓子】【はったい粉】【麦焦がし】【煎り麦】【大麦】【むぎこがし】
発芽大麦粉
【送料無料・メール便】発芽大麦粉500g【日時指定・代引き不可】
発芽大麦を粉にしたものです。
粉にしていない発芽麦はこちら(もち麦)
大麦(粒)
上で現在購入可能な「古代小麦」の話はしたのですが、「古代大麦」についてもざっくり探してみたものの、なんかみつからない。
そんな中で見つけたのがこちらの記事
稲富博士のスコッチノート
2001年10月掲載
第4章 大麦
寒冷な気候でも生育する大麦はスコットランドにとって 古くから最も大切な穀類であった。数千年前の石器時代に農耕が始まった時から広く栽培されたらしく、多くの遺跡から大麦の穀粒、籾、藁等が発見されてい て、当時の人々は大麦を挽いて粥やパンをつくり又ビールも造ったと考えられている。これらの遺跡から見つかっている大麦はほとんどが6条大麦で、現在スコットランドでビールやウイスキー用に栽培されている2条大麦はごく近年導入されたものである。
はじめにスコットランドの在来種大麦”Bere”(ベアー)の話をした。この大麦はスコットランドの短い夏の気候に適応して早期に成熟するが、低収量、収穫後しばらくは発芽しない休眠期が長くてなかなか製麦にかかれない、粒が硬くて製麦し難い、蛋白質が多くて澱粉が少なく、従ってウイスキーにしても、ビールにしても収率が低い等の理由でほぼ姿を消してしまった。
古い品種の大麦自体はどこかにあるのだと思いますが、収穫量が低い等の理由で、流通に乗せられるほど生産とか販売とかできるような状態ではないんだろうなと思います。農家直売的なお店だともしかしてあるかもしれませんが、入手難易度がかなり高いと思います。
というわけで古代品種は一旦諦めて、現在簡単に入手できる大麦をご紹介。
※麦は外側がとても硬く調理に時間がかかるため、現在売られている麦はたいてい「七分」という表面の硬い皮を除いたものになります。古代食っぽい麦を目指すなら七分じゃないほうがいいのですがコレまた入手難易度が…。超こだわって再現するという方針でなければ、七分のものが調理しやすくていいと思います。
大麦の種類
どれがいいのという人は、こちらの食べ比べの記事をどうぞ。
大麦大好き! | 料理研究家 柳澤英子 公式サイト
2016.02.16
<大麦食べ比べ>
試したのはもち麦(外皮付き)、はだか丸麦、米粒麦。試食人10名。
麦の個性が出るよう、白米と麦を1:1にして炊きました。
チーズ
お手軽なものとこだわり派のものを。
お手軽・リコッタチーズ
「ギリシア・ローマの料理とレシピ」では現代の家庭で作るための再現レシピを提案していました。
再現レシピで使うチーズは、フレッシュチーズでお手軽なものとして、リコッタチーズに置き換えられていました。
IQFイタリア産無添加リコッタチーズ1000g ricotta cheese1kg
1000g入のようです。チーズ好きの人におすすめです。
こちらはお手軽サイズ。
上記の他にもリコッタチーズは販売されているので好みのものを選ぶと良いと思います。チーズの種類が多い店だと店頭で売っていることも。
リコッタチーズは自作もできます。
ただし正式には「ホエー」という「牛乳から一度チーズやヨーグルトを作った後に残る水分」から再度チーズを作るという手順になるため、正式なレシピで自作しようとすると少しめんどくさいです。(ホエーがとても大量に要る)
財布と手間と時間と相談して、購入か自作かを判断すると良いと思います。
こちらは牛乳から作るご家庭簡単版レシピ(正式にはカッテージチーズにあたる)
材料(作りやすい分量・約280g分)
・牛乳…1L
・生クリーム…1/2カップ
・レモン汁…大さじ3
・塩 小さじ1/2 (2.5gほど)
※牛乳は生乳100%で成分無調整のものを使う。生クリームは乳脂肪分が多いもの(42%~47%など)を使う。
こだわり・フェタチーズ
ギリシャのヤギと羊のチーズ、フェタチーズは古代から作られていたと言われています。こだわるならおそらくこれを使えばそんなに間違いはないかと。
自作も環境が整っていれば出来なくも無さそうですが、料理に慣れた人でないならあまりおすすめしません。
フェタチーズは保存のために塩漬けになっているので、好みに応じて塩抜きをして使ってください。
百貨店や成城石井等でよく売っている商品。
通販なら大きなサイズのものもあります(400gパック)
ハチミツ
古代のハチミツとは…と追求しているとキリがないので、ギリシャのハチミツを通販できるお店をご紹介。
イリオスグリークプロダクツ https://www.heliosgreekproducts.com/
もう少しお手軽な値段だとこちら。
Attiki(アッティキ) Greek Honey ギリシャ産 天然蜂蜜 タイムの花 (スマートパック アッティキ)
現在アマゾンで購入できるギリシャのハチミツは、ほぼタイムのハチミツのようです。タイム以外のものが欲しい場合は上の専門店のほうがおすすめ。
あと、都内を中心に実店舗があるはちみつ専門店ラベイユにてギリシャの蜂蜜を数種類扱っていました。オンラインショップと各店舗ごとに在庫が異なっていて、A店では品切れでもB店には在庫ありという感じでした。
ギリシャの蜂蜜の、タイム・オレンジ・くり・レッドヒース(赤い花のヒース)・コットン(綿花)・ヤマモモ、などを扱っているようですが、常時全種あるわけではないようなので、何があるかは通販サイト覗くなりお店に行ってみてください。
最後に、ギリシャのハチミツについて扱った記事をご紹介。
ギリシャの蜂蜜
蜂蜜がギリシャの名産であるのをご存じですか?
ギリシャの蜂蜜は、タイムなどの様々なハーブ、ワイルドフラワー、オレンジ、松などが有名で、天然蜂蜜100%。こってりとしていてコクがあり、野性味のある味です。これは、ギリシャの変化に富んだ地形、乾燥した気候、植物の種類の多さという自然の恵みによるものです。
http://tabimap.net/gr/?p=239
ワイン
ワインはまだよく調べていないのですが、古代ワインとはどういうものか、葡萄の品種は製法は…まで踏み込むとワインの海で遭難して戻ってこられなくなるのが目に見えるため、とりあえずは「ギリシャ産のもの」または「グルジア産などの古代の製法に近いもの」を探せばいいと思います。
↓軽く調べたら案の定遭難した
そんなわけで「このワインがいい」という結論は(自分の中ではまだ)出ていないのですが、選ぶときの参考になりましたら幸いです。
ざっくり調べた感じだと、ギリシャは最古のワイン生産地域のひとつで、そのため現在でも古いぶどうの品種で作っているとか。
古来の製法で作っている等のワイナリーもあるっぽいのですが、それを日本で入手可能かは別問題なわけで…。(政治的な問題で、日本との太い貿易ルートが確立してないっぽい)
お酒が好きで古い作り方のワイン飲んでみたい(ついでに料理材料)という場合でなければ、入手についてそこまで頑張らなくても良いのではないかなあと。
古代のワインは甘かった(甘いものが好まれていた)という話です。しかし現在とは製法からして違うのを考えると、そこまで深くこだわらなくても良いのかもしれません。
当時のワインは土中に住めた壺の中で発酵させていたので水分が減って濃いものだったと考えられます(だから水で薄めて飲んでいたとも)。現在この製法で作られているワインはグルジア産が有名です。
入手可能だったら、ギリシャ特有の松ヤニ入りワイン「レチーナ/レツィーナ」もいいかもしれません。このワインは独特の渋みがあるのだとか。現在は白とロゼがあるらしいです(日本でよく見かけるのは白)。
この白ワインは蒲田のギリシャ料理店「Spyro’s (スピローズ)」で楽しむことが出来ます。
世界のワインを扱う店での販売も時々されているので、興味のある方は足を運んでみると良いとおもいます。
古代ワインについて、赤か白かは明言してる資料をあまり見ない気がするのですが、キュケオンを作ってみたという人はだいたい赤で作っているので、とりあえず赤で。
ワインの色については、ローマについてですがこういう記事があったので、そのうち裏付け資料を探そうと思います。
古代ローマでは赤ワインと白ワイン、どちらが主流でしょうか?
2018/4/17 00:46:37
古代ローマの時代にはすでにイタリア半島で白ワインが造られていました。しかし主な飲料としては赤ワインで、それは中世以降も続きます。
(中略)
聖書でも酒とあれば赤ワインを指し、白ワインの場合は白いワインだという注釈もあります(これは白ブドウで作った)。というように古代ではワインと言えば赤です。
古代ローマのワインは、ロゼのようなワインです。
見た目は薄い赤ワインだったようです。https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q13189125133
厳選ギリシャワイン5本セット【Greece Wine】【ギリシャ産・赤・辛口×3本 白・辛口×2本】
※中央の壺ラベルが松ヤニワイン。せっかくだからいろいろ買いたい人用。
リララキス コツィファリ【Lyrarakis Kotsifali】【ギリシャ産・赤ワイン・辛口・ミディアムボディ・750ml】
カレラ マヴロダフニ・オブ・パトラス O.P.E.【ギリシャ産・赤ワイン・甘口・375ml】
ミント
ミントも詳しく調べていないのですが、「ペニーロイヤルミント」がいい的な話を見かけました。古代においてペニーロイヤルミントは様々な効能があると考えられていたようです。
『ホメーロス風讃歌』の「デーメーテール讃歌」第210行に、デーメーテールがケレオスの館で提供された赤ワインを拒否し、水と大麦、ペニーロイヤルミントから作られたキュケオンを受け入れるという場面がある[注釈 10]
[注釈 10]^ なお、ホメーロスの叙事詩では別の表現となっている。『イーリアス』(XI, 638 – 641)では、プラムニアのワイン、大麦及び粗挽きのヤギのチーズで作られるとし、『オデュッセイアー』(X, 234)では、これに魔女キルケーが蜂蜜を加え、魔法の薬を注いでいる。
ただし、この引用した項目自体が「エレウシスの秘儀用の幻覚効果のあるキュケオン」(女神デメテルの祭儀)について論じている記事なので、実際作る時はそんなにミントの品種にこだわらなくてもいいんじゃないだろうかという気はしなくもない。
(このブログの記事の目的はあくまでも『魔女キルケーの美味しいキュケオーン』はどういうものだったのか追いかけてみようという話なので)。
キルケーが後入れした毒というのが「精神を豚に変える」とかそういうアレだったらまた話が繋がってくるかもしれないのですが、エレウシスの秘儀の毒の話はたくさん論文があるのでそっちにおまかせ。
※ホメーロス風讃歌 古代ギリシアに作られた作者不詳の33篇の讃歌集。作者不詳だがホメーロスの作かも?とも言われている。「水と大麦、ペニーロイヤルミントから作られたキュケオン」はこの「作者不詳の詩篇」に出てくる、らしい。
話を戻して、現在ミントってどんな品種があるの?という方はこちらへどうぞ。
ハッカの種類|株式会社北見ハッカ通商
ペニー ロイヤル ミント 【苗】 9 cm ポット <当店は 苗 種 鉢 培養土 ニーム の専門店>
めっちゃ種類があるのがわかりましたが、種類を調べても通販だと買えるのは種とか苗とか乾燥ハーブとかエッセンスになるので、「せっかくだから苗から育てる」か、「簡単にスーパーで普通のミント葉を買う」、か好きな方を選んでいいと思います。
材料はこだわるか気軽でいいか
ここまで材料の一例を出してきましたが、どうがんばっても古代食材そのものを手に入れることはできないので、財布と趣味に合わせて好きなものを揃えればいいと思います!(ここまでの文章を全否定する発言)
とくにメイン食材である「麦」が、古代に近いものの入手が難しい&調理方法がはっきりしない、というあたりでこう……難易度が……。
個人的には「ギリシャチーズ」あたりが入手難易度も低いし、せっかくだから珍しい食材を揃えてみた感が出ていいのではと思います(大部分を占めるメイン食材だし)。ただし癖がある味なので味を見ながら加えたほうが良いと思います…。
ギリシャハチミツは買える所が近くにあるなら折角だからとオススメしますが、通販の場合が多いと思うので、お財布に合わせて揃えると良いと思います。でも折角だから通販しても楽しいと思います(ゴリ推し)。
ワインは、使い切れなさそうな人は無理せず簡単に買えるワインでいいかなと。飲んだり料理に使ったりする予定が立つ人はこれも通販ならそんなに難しくないかと思います。飲む場合は古代ギリシャ風に水割りを試してみてもいいかも?(※水とワインの比率は『[メモ]古代のワインはどんなものだったのか』の記事参照)
ミントは庭で育ててるとかでない限りはどうにもしようがないので野菜売り場で。下手に育てるとミントテロ(もっさり)。
おいしいキュケオンが出来上がりますように!
[…] [メモ]キュケオーンに使う食材を購入しよう! […]