キュケオーン(セモリナ粉の粥バージョン)のレシピ
セモリナ粉のお粥アレンジでFGOキュケオーンのレシピを作成しました。1週間毎日キュケオーンを作ってキュケオニストっぽく調節したので、味的には問題ないと思います。
現在一番出回っている小麦粉粥キュケオーンのレシピ(大本はローマの大カトーの粥レシピ)では、「リコッタチーズパンケーキの生地と同等の割合(小麦粉1:チーズ3)」です。
しかしこの「ローマの大カトーの粥」はオデュッセイアに記載されたキュケオーンの材料とは内容が異なります。(更に言うと時代も千年単位で異なり、国も違う)
「大カトーの粥」をこれ以上再現する必要が感じられないのと、同ベースのレシピは既に沢山あり新しく手掛ける必要を感じない。加えて「FGO内の美味しい麦粥」に近づけるため、ベースレシピを変更しました。
今回のレシピではベースの料理を「現代も食べられているセモリナ粉粥」に変更し、小麦粉と乳製品の割合を「カスタードクリームと同率」に変更したので、「再現料理」ではなく「ゲーム内の空想料理のイメージレシピ」になります。
「古典に記されたキュケオーンの再現料理」はまた別にレシピを作ろうと思います。
2020年3月開催のFGOのイベントでコマンドコード「大魔女の麦粥」が配布されましたが、その柄としてキュケオーンの絵が出てきました。クリーム色の麦粥です。FGO上でのキュケオーンは「(赤ワイン入れず、卵を入れた)小麦粉粥」として扱っているのではと推測されます。絵だと粒粥か粉粥かは判別できませんが、色から考えると粉粥なのかなと思います。
(※だとするとオデュッセイア上で記述されている「赤?ワインを使うキュケオーン」とは別ものとして扱うのではと推測される。半端に史実に寄せずに、木馬のように別解釈をしたのでは?)
「木馬があって、泡立て器が無いとでも?」を合言葉に、「グーンとレベルアップ」を目標にして、今回のレシピはFGOキュケオーンのイメージ料理として作りました。
『ふふっ。ということで、今回もキュケオーンでメタボピグレッツしていこう!そろそろ定番レシピや季節のアレンジじゃきみも物足りなくなってきただろう?
そこで!この機会に大魔女の助言でグーンとレベルアップしようじゃないか! 遠慮なんかいらない、世界に通用するキュケオニストを目指すピグレットなら当然の務めさ!
最高の一皿に相応しいシチュエーションと、テーブルのセッティングまで含めた、秘伝中の秘伝を手解きしよう。』
2020.3月 fate/grand order「アイアイエーの春風」より
FGOオデュッセウスが懐かしい、美味いと喜んで食べたキルケーのキュケオーン、アイアイエーの春風のようなイメージに近づけたならいいなあと思います。
甘いのが苦手な場合は蜂蜜の量を減らして後がけトッピングで調節してください。ただし減らしすぎると砂糖を入れ忘れたプリンのようになります。
味は、粉が多いと崩したフレンチトースト系、レシピ通りにしてバニラシュガーをかけるとプリンのような風味になります(なるはず)。
材料 1人前
気軽に作れるように1人前の分量にしました(150~200gなので1.5人前かも)。
卵が余りますが別料理等でご利用ください。(スフレオムレツのレシピへのリンクが下にあります)
必要な調理器具
★鍋(自分は直径18センチの小型で深めのフライパン・フッ素樹脂加工の焦げ付きにくいもの、を使いました)
★計量カップ
★計量スプーン(大15ml・小5ml)
★ゴムべら(粉をふるい入れながらへらで撹拌)
★泡立て器 or ハンドミキサー or ビニール袋(メレンゲ作成)
★ボウル(メレンゲ作成)
★分けた卵黄を入れる器(てきとう)
★ざる or 水切りかご付きタッパー(チーズ水切り用)
★クッキングペーパー(チーズ水切り用)
★あれば料理用温度計(チーズ用。下記のデジタル式を500円程で買いました)
★あれば粉ふるい(小麦粉粥用。小麦粉を温めた牛乳に投入時に使用)
マーナ(MARNA) お料理はかどる粉ふりスプーン イエロー K630Y
1.カッテージチーズの材料
★牛乳 (生乳で無調整のもの。低脂肪乳はNG) 200ml(+粥用100ml)
★レモン汁(果汁可) 小さじ2 (ない場合は酢)
ポッカサッポロ ポッカレモン 有機シチリア産ストレート果汁 120ml
自分が使ったレモン果汁 「レモンの泉」(銀座の広島アンテナショップなどで購入可。豊洲ららぽーとのスーパーでも売ってました)
2.セモリナ粉の粥の材料
★デュラムセモリナ粉 大さじ1
デュラムセモリナ粉 / 500g TOMIZ/cuoca(富澤商店)
★牛乳 100ml(カッテージチーズ用と合わせて全部で300ml使用)
★蜂蜜 大さじ三分の二 or 小さじ2 (砂糖の場合は大さじ1)
※トッピングを乗せる方は大さじ二分の一 or 小さじ1と二分の一
★卵 1個 (1人前の場合は三分の一使用)
★バター 少々(蜂蜜計量時に計量スプーンに塗る用)
5gほどあれば余りオムレツ作成含めて足ります
3.小麦粉粥のトッピング
トッピングは無くても良いのですが、好みと見た目で好きなものを乗せてください。基本的にはカスタードクリームの類型なので合いそうなものなら何でも。
★バニラシュガー
★蜂蜜 本体の甘さを押さえた場合はトッピングで調整
★ミントの葉
★果物
★麦類
★ナッツ類
★ジャム・フルーツソース類
★グラノーラ類
レシピ
カッテージチーズと、セモリナ粉の粥と、メレンゲを作って混ぜるレシピです。メレンゲは食べる直前に作って混ぜ合わせてください。
1.カッテージチーズを作る
◆牛乳200mlを鍋に入れて温める
[温度計あり] 60~70度ぐらいで火を止めてレモン汁小さじ2を注ぐ [目測] 鍋肌からふつふつ泡が出て、湯気が薄く上がりはじめたり、沸騰しそうな感じになってきたら、火を止めてレモン汁小さじ2を注ぐ
◆レモンを加えた鍋を混ぜたり揺すると、透明な水分と白い固形物に分離しはじめる
ここで分離しない場合は追加で少し加熱。それでも反応がない場合はレモン追加
◆だいたい分離したら、ざる・水切りカゴにキッチンペーパーを二重に敷いて、そこに分離した牛乳を注ぐ。そのまま水を切るために置いておく。
(自然にしっかり水切りしたい場合は粥の1~2時間前に作業)
自分は間を空けずすべて通しで作業してました。
2.セモリナ粉の粥を作る
◆計量スプーンの内側にバターを塗り、蜂蜜を計量する(大さじ三分の二、または小さじ2)
◆鍋に牛乳100mlと蜂蜜を入れる。火を点けて蜂蜜を溶かす(スプーンにくっついてる分は牛乳を加熱しながら溶かす)
◆鍋肌付近がふつふつ湧いてきたら火を止める
◆ヘラで牛乳をかき回しながら、セモリナ粉大さじ1を少しずつ牛乳に混ぜる(ダマ厳禁)
◆全部溶かしたら火を点ける。混ぜながら加熱し軽く沸騰したら火を止める
(ここで煮続けてノリ状になるまで煮ると、食べる時に焼いてないパンケーキの素食べてる感が強くなるのでオススメしない)
◆鍋にフタをして蒸らす(目安:5分)
このあと卵割ってメレンゲ作っていればだいたい余裕で過ぎます。
3.メレンゲを作る
卵を割って卵黄と卵白に分け、卵白は泡立て器でメレンゲにするのですが
簡単メレンゲ♡ビニール袋に入れて振るだけ
なん……だと……?
………とにかく無糖で卵白だけで泡立てて、ツノが立つ硬さのメレンゲを作ってください(泡立て器ガシャガシャ)。
ビニール袋方式も試しましたが、固く泡立った部分と液体部分が分離してしまってうまく行きませんでした…。とはいえ泡立て器がない家でキュケオーンに入れる分(一人前・卵白三分の一分のメレンゲ)を作るなら十分に用事が足りるので、泡立て器がない場合はこの方法でどうぞ。
4.すべてを合わせて盛り付ける
◆水が切れたカッテージチーズを、鍋のセモリナ粉の粥に合わせる。
(チーズの水分が多すぎると思った場合はそっと絞ってホエーを出す)
◆[温度を上げない場合]鍋の中で粥とチーズをよく混ぜる
◆[温かいほうがいい場合]温め直しながら全体をよく混ぜ、温まったら火を止める。
◆卵黄三分の一を加えて混ぜる(卵を入れた後に加熱しないこと)
◆メレンゲ三分の一を加えて全体が同じ色になるまで混ぜる。
◆器に盛り付ける
◆好みでトッピングを乗せる(ミント・果物・グラノーラ・バニラシュガー・蜂蜜など)
トッピングしてみた
お、お客様の中に見栄えのいい盛り付けが得意侍のかたはいらっしゃいませんかーーーー!!! 誰か仇を撮ってください………(頭を抱える)。
なお固形物のトッピングが加わると、味と食感にアクセントが加わり美味しいです。粥をそのまま食べてもトッピングを追加しても良し。
メレンゲを加えているため作り置きせず、食べきりで作ってください。
調理で余った材料の使い方
どうやっても何かしらの余り材料が出るので、調理のヒントを。
卵
卵黄とメレンゲと塩少しを混ぜて、フライパンにバターを溶かして焼く。中は半生状態でOKですが好みで火を入れてください。
スフレオムレツ https://www.sbfoods.co.jp/recipe/detail/05522.html
泡が潰れないうちに即食べる。
ホエー
1人分スープの元などを用意(トマト系が相性良し)。分量が足りない場合は水を足して調整。
麦をトッピング用に用意した場合は合わせてもよし。
味の素 「クノール たっぷり野菜で満たされたいときのスープごはん用」 トマトリゾット風
甘くしたい場合は牛乳と砂糖を混ぜてラッシー風飲料にアレンジ。
余ったホエーですっきりラッシー https://recipe.rakuten.co.jp/recipe/1880004762/
デュラムセモリナ粉
一般スーパーだとあるか微妙ですが、輸入食材店・成城石井・TOMIZ(富澤商店)・北野エース・紀伊国屋等々のいいもの系食料品店には置いてあります。
デュラム小麦は練ってパスタ・ピザ生地・パン等に加工するのが有名ですが、そのほかフリットの衣などに使えます。
パスタ
練って切り分けた後に指先で形成するタイプなので麺タイプよりは気軽に……たぶん気軽に……。
●手打ちパスタ~オレキエッテ~ https://cookpad.com/recipe/1082541
●耳たぶ型の手打ちパスタ オレキエッテの作り方 http://cucina-italia2017.hatenablog.com/entry/2017/06/10/200910
揚げ衣として使う
●シチリア風えびといかのフリット https://www.pokkasapporo-fb.jp/recipes/detail-1794.html
上で挙げた「ポッカレモン 有機シチリア産ストレート果汁」も使うレシピです。
肉や魚を焼く時の衣
揚げる以外に、肉や魚を焼く時の衣にも使えます。カリッやサクッとした食感になります。
●豚のセモリナ香草焼き https://www.kurashiru.com/recipes/75f5434b-b382-411a-938a-e6a88a37aa4c
●ポークグリル https://cookpad.com/recipe/680478
●アスパラの豚肉巻き~セモリナ粉チーズ衣~ https://cookpad.com/recipe/2168075
●セモリナ粉衣のサーモンバター焼き https://www.eat-fish.maruha-nichiro.co.jp/recipe/hidaka/salmon.html
●白身魚のグリル、サルサアーリオ添え https://kitchen.delonghi.co.jp/recipe/detail/id/117
お菓子
● セモリナ粉と松の実のケーキ https://housefoods.jp/recipe/rcp_00005275.html
●アハベナンマンパンヌカック http://jp.ndish.com/recipe/re00101/
●セモリナ粉のハルヴァス Χαλβάς (ギリシャの菓子) https://www.greecejapan.com/jp/?p=3021
https://el.wikipedia.org/wiki/χαλβάς
下にインドの同類の菓子が出てきます。
Greek Cooking Made Easyより料理動画。材料と分量は動画のリンク先に記載されています。
ミント
このレシピでは飾り用に使うミント。お店のハーブコーナーで売っているミントには2種類あります。
リンク先にミントを使うレシピが載っているので、飾りに使って余った分の利用方法の参考にどうぞ。飾り以外にもミントティーに使ったり、肉料理に使ったり、様々な料理に使えます。
今回のレシピでは飾りがメインなので、種類については余りで作ってみたいメニューで選んだり、店頭にあったものから選んで大丈夫です。
レシピ説明
このレシピに至った経緯と、試作時のメモ等々。
別項目でも述べましたが現在一番出回っていると思われるキュケオーンのレシピが載っている本のレシピ(『古代ギリシア・ローマの料理とレシピ』・改)では、小麦粉粥を「小麦粉1:チーズ3」の割合で作っていますが、これはリコッタチーズパンケーキの生地の割合に近いため、味はともかく重くて食べにくいです(チーズの量はリコッタパンケーキ生地よりも多い)。またこの本では塩分もかなり多く指定されています。
上のレシピの元ネタ「古代ギリシア・ローマの料理とレシピ」で提案されたキュケオーン(大カトーの粥・改)のレシピや、その元の古代ローマ(大カトーの粥)ベースで調理・再現しようとすると、「リコッタチーズパンケーキの焼かない生地をいかに美味しく食べるか」という話になり自分には難易度が高いので、一旦保留しました。一応リコッタチーズ部分をホエー・牛乳に置き換えたりしてはみたのですが、いまいちピンと来ない……。(ピンと来なかったのでバターを使ってフライパンで焼きキュケオーンにして食べました。ヒタヒタにして崩したフレンチトーストっぽい味がしました)。
甘い小麦粉粥は世界の料理には複数あるので、そちらのレシピをベースに変更して、カスタードクリームと同等の比率まで粉の量を下げました。なので粉・小麦感は減っていて、キュケオーンは麦!というレシピではないです。むしろ卵&ミルク。
現代だと「セモリナ粉の粥」というとこういったカスタードクリーム系の料理のようです。
メレンゲを加えない煮るだけタイプの小麦粉粥もありますが(ロシアのМанная кашаマンナヤカーシャなど)、FGOキルケーの勧めてくるキュケオーンのイメージ的に「ふわふわ感があるおいしい食べ物」がいいと考えた(個人の感想)ため、ベースレシピはメレンゲを混ぜるドイツのセモリナ粉粥にしました。
小麦粉粥タイプ(ローマ時代の大カトーの粥ベース)のキュケオーン推測料理レシピは既に多くの人が手掛け、色々なパターンが出ています。
なので今回は「現在出ている大カトーの粥と同様の材料でイメージを残しつつ」「現在実績のある料理ベース・甘い小麦粉粥・食べやすい方向に修正・おいしい」を重視しました。古代再現というよりは「FGOキュケオーンのイメージ料理」です。
FGO中のキュケオーンの画像を見るに、麦粒麦粒ではなく黄色いモコモコな外見なので、作中料理では「赤ワイン無し・卵使用」の小麦粉粥として扱っているのだろうと推測しました。
今出回っている大カトーの小麦粉粥レシピは、原典の「オデュッセイア」(他にはイリアスやデメテルの神話)中のキュケオーンと材料が異なっています。
FGOではキルケーやオデュッセウスや木馬がああいう解釈なのだから、料理もまた史実とは別(かもしれない)解釈で設定されている、と考えています。
なので、作中料理を再現するのに「大カトーの小麦粉粥の古代レシピの比率(小麦粉1:チーズ3)」にこだわらなくてもいいのではと考え、今回は現代の小麦粉粥レシピをベースにしました。
(自分は「実際のキュケオーンの再現」は大麦の粒粥や麦水ドリンクの方面で考えているのと、ローマのカトーの小麦粉粥はレシピもはっきりしているので、これ以上はアレンジしなくてもいいのではと考えています。あと小麦の種類について「古代ギリシア・ローマの料理とレシピ」の説明が正しいのか微妙で、現代置き換え材料がデュラムセモリナ粉でいいのか何とも言えず、大カトーのレシピを資料が曖昧な状態で追っても史実再現といえるのかがわからない)
「小麦粉を事前に水でふやかす」工程をスキップしたのは、元々のローマの大カトーのレシピだと「加熱調理せず、数日間流水にひたして麦を柔らかくする」という調理法だった(という説も出ている)事と、今回は「加熱調理する・粉が少量」という理由から粉をふやかす工程を外しました。
[参考] 古代ローマの食卓
カッテージチーズ用レモンは、試作を複数回行うため量が必要だったのと、pHが安定していて結果が一定になるのを期待して、ストレートレモン果汁(瓶)を利用しました。
1回作るだけならレモンを1個買ってきて生果汁で良いと思います。
[参考]自家製リコッタの科学(リッチバージョン) https://note.com/travelingfoodlab/n/nc89fee966bb8
カッテージチーズ作成は60度が一番なめらかになるらしいですが、レモン汁小さじ2(牛乳200mlに対して一般的なレシピより少なめ)だと固まりが悪かったため、今回のレシピでは温度を上げています。こだわる人は温度計と別レシピを見ながら美味しいカッテージチーズを作って合わせてください。1人前で50~80gほど入れるイメージです。
[参考]カッテージチーズ 温度比較実験 https://cookpad.com/recipe/5851571
市販品のカッテージチーズは酸味が強いため、できるだけ手作り推奨。
(今回のレシピでレモンの量をギリギリ少なめに設定しているのは酸味を抑えるため)
市販品仕様の場合、加えるチーズをフェタチーズ(ヤギ)にしてもいいのではと思いつつ、まだ試していません。塩気等が加わるので追加で味のバランスの調整が要るかもしれません。
今回のレシピで「リコッタチーズ」を使っていない理由
1.現在一番出回っている小麦粉粥キュケオーンのレシピでは「リコッタチーズ」とレシピを設定していますが、この本では「家庭用リコッタチーズレシピ」こと「カッテージチーズ」のレシピ(牛乳から即チーズ)を紹介しています。(つまり今回自分が紹介したレシピと手順は同じ)
2.リコッタチーズは「1度チーズやヨーグルトを作った後に残るホエーを煮て作る」のですが、その方法に忠実に必要量のチーズを作ろうとするとかなり大量の牛乳が必要になります(牛乳大量消費したい場合はおすすめ)。今回は簡便に1人前を目指したためカッテージチーズにしました。
3.そもそもなんで「リコッタチーズ」なのか。大カトーの粥の材料(カッテージチーズと言われているようだ?)を現代食材に置き換える時に「リコッタ」を指定しているパターンが多いようなのですが、判断理由が未記載でよくわからない(粥をとろとろさせるため?)
4.リコッタは発酵させないフレッシュチーズだが、オデュッセイア内のキュケオーンのチーズはフレッシュチーズはわからない(作者ホメロスの別作品、イーリアス内のキュケオンに入れられるチーズは削って入れられるので明らかに発酵熟成したハードタイプ)
5.上に挙げた通り「作成時のコスト・手順簡略化」と「元記述と既にかけ離れているのでリコッタにこだわる理由がない」という理由。
牛乳大量消費レシピにするつもりが、そこまで沢山は使わないレシピになりました(試作はたくさんした)。1人分なら500ml1本で足ります。
1人分を「牛乳のみ(チーズなし)」で作る場合は牛乳150mlで丁度いいかと思います。小麦粉は増やすとすぐ完成品が塊になるので、大さじ1のままで。
せっかくなのでチーズをたくさん作って牛乳をたくさん使ってください。
上にもありますが牛乳は「生乳」「成分無調整」のものを使ってください。濃厚な出来がいい場合は生クリーム追加でもOKです。
水切りかごつきタッパーは100円ショップのセリアで買いました。ヨーグルトや豆腐の水切りにも使えそうで便利です。
バニラシュガーは元レシピで材料として指定されていて、入れると甘い香りが加わりプリン的な風味になります。
バニラ風味用にバニラエッセンスやバニラビーンズなどを調理時に加えてもOKですが、まともに買うと余るし高いです。1食だけ作りたいならハウス食品のパン用調味料「パパン」シリーズのバニラシュガーがおすすめ。
パパンシリーズは大抵パンコーナーに置いてありますが、シナモン以外は置いてる店が少なめなので無かったらすみません…。
蜂蜜が計量スプーンにくっつくため、一応スプーンにバターを塗る工程をつけましたが、牛乳を温める最中にスプーンにくっついた分を溶かす形で全量投入しているので、無ければ無くてもいいと思います。
後からスフレオムレツ作る場合はバターがあったほうが風味がいいので、新しく買う場合は、10g刻みのものか、8g個舗装のものが便利だと思います。
デュラムセモリナ粉は一般的な食材店で買ってもいいですが、お近くにインド食料品店がある場合は「スージ [Sooji]」という名前で売られているので探してみてください。そちらのほうが量が多くて安いことが多いです。粒はインド製のほうが大きいです(炒めて味付けして食べる料理があるので粒が大きめのほうが好まれるのだと想像)
アルジュナはアイアイエー島でキュケオーンを食べながら、インドのセモリナ粉の料理を思い出してカレーがたべたくなったのかもしれません。(セモリナ粉をスパイスや青唐辛子で辛く味付けしたり、牛乳・砂糖のほかにカルダモンを入れた甘い料理がある。ただし紀元前からあったかはわからない)
神戸アールティー スジ 大粒 1kg Sooji セモリナ粉 Semolina 小麦粉 デュラム
セモリナ粉が余っている場合はこちらもどうぞ
[レシピ1] ウプマ(セモリナ粉で作るスナック) [レシピ2]インドのセモリナプリン Indian Semolina Pudding西葛西のインドスイーツ店でも扱っているかも?
西葛西にあるインド食料品店はスパイス類が安いのと、他所にはないインドの粉(ベサン粉とかアタ粉等々いろいろ)があるので、インド系食材が気になる人にオススメ。西葛西のリトルインディアに行くことがあったらどうぞ。
西葛西以外でもひっそりインド食材店があったりするので、ひょいと飛び込むとお安くいいものがあるかもしれません。スパイス類は大抵安いです(東南アジア系食材店でドリアンの香りに包まれつつ)。
[メモ]ギリシャの「Tarhana」という「穀物、ヨーグルト、または発酵乳の発酵混合物をベースにした乾燥食品」で作る濃厚なスープという料理があったので貼っておく。
How to make Greek Tarhana or Trahanas Soup – Σούπα Τραχανάς
今回のベースレシピ
ベースにしたレシピ(元の料理)はこちらです。レシピでわからないことがある場合、更にアレンジしたい場合は、こちらを辿って確認してみてください。
Grießbrei(グリースブライ) ドイツのセモリナ粥
Grießbrei https://de.wikipedia.org/wiki/Grie%C3%9Fbrei (現時点では日本語wiki無し)
日本語レシピ https://cookpad.com/recipe/4842488
英語だと「セモリナプティングSemolina pudding」という名前になります。
https://en.wikipedia.org/wiki/Semolina_pudding
こちらも日本語の項目はありません。このwikiの項目には
「セモリナプディングはトウモロコシベースのグリッツにやや似ており、ローマ時代からヨーロッパで食べられてきました。アピシウスは、ファリーナから作られたアーモンドとセモリナのプリンについて説明しています。」
とあります。セモリナ粉の粥も起源は古いと考えられているようです。
外国では、写真素材サイトにめちゃめちゃバリエーションに富んだ写真がある程度にはメジャーな食べ物のようです。
小麦粉粥のデザートは複数の国で食べられていて割とメジャーな料理のようですが、その一方で日本語wikiに項目がないのは、近代の日本人の概念には「粉粥」が入ってないため認識の範囲外になっているのだろうか、と予想しています。(粉を溶かした粥=びんぼう、みたいなイメージが強い?あとは牛乳が広く常食になったのが近代のため、牛乳の小麦粉粥が無かった?)
キュケオーン風にしたときの変更点
砂糖 → 蜂蜜に変更
風味付けのバター → カッテージチーズに変更
全体量を1人前に変更(150~200ml程の、一度で完食しやすい量のキュケオーンが出来上がります)
参考動画
ロシアのセモリナ粥(塩味アレンジ)
セモリナの牛乳粥を作ってみた
セモリナ粉(ロシア語でマンカ)でカーシャ(манная каша)を作りました。
ロシアだけでなくヨーロッパ中どこでも食されている代表的なお粥らしいです。
※今回のキュケオーンを実際作りたい人は一度目を通すといいと思います。
小麦粉ダマ入りの粥はロシアの子どもたちにとても嫌われたとか。絶対に作らないように気をつけて混ぜてください。
以前の記事
最初に書いたキュケオーンに関しての記事です。そうか2018年か……。
[…] セモリナ粉バージョンの麦粥キュケオーンのレシピ […]