ここまでのあらすじ
タグ「キュケオーン」参照
(話が長くなってきたので前説が雑になってきた)
古代ギリシャで食べられていた「大麦」は「maza」という炒って粉にして水分や油を加えた大麦(湯~ペースト~固形)だった。
(※蒸して乾燥させたものという話もあるがとりあえずここでは炒った説)
その炒った大麦粉こと、日本名「はったい粉」の使われ方について探してみようと思います。
え?ギリシャとかヨーロッパ料理で探せ?
1.これ書いてる人が日本語オンリーマン
2.先述の通り現代ギリシャ料理は他文化の影響で結構中東料理混ざってる(古い料理等の資料も自分は見つけられていない)
3.mazaの系統の料理のポレンタ(イタリア)も、大航海時代後、収量の多いトウモロコシが入ってきた時点で、材料が元々あった麦などからトウモロコシに切り替わってる
4.大麦粉ねりねり料理が世界各地に残ってんだったら、はったい粉が存在している日本だってきっと食べてただろう
とりあえず分かるところから探せ、の精神ではったい粉周りを探してみようと思います。
はったい粉とは
はったい粉 | 日本の食べ物用語辞典
はったい粉とは
はったい粉(はったいこ・ハッタイ粉、糗粉、麨粉・Hattaiko)は、 大麦(オオムギ)やはだか麦(裸麦・ハダカムギ)を焙煎してから粉にしたもの。
麦焦がし(むぎこがし)、煎り麦(炒り麦・いりむぎ)、香煎(こうせん)とも。
砂糖などを混ぜてそのまま、またはお湯やお茶、牛乳などで溶いて粥状にして食する。また、砂糖や水などを加えた後に焼くこともある。(はったい・麦こがし・麦粉菓子)
地域により、麦粉(むぎこ)、煎り粉(いりこ)、はね粉(はねこ)、御粉(おこ)、香煎の粉(こうせんのこ)、香粉(こうこ、ここ、こんこ)、散らし(ちらし)、香ばし(こばし)、香しん(こうしん)、いんにゅみー、などとも呼ばれており、郷土の素朴な菓子の材料として用いられている地域もある。
はったい粉 | – 日本粉体工業技術協会
昭和20年代~30年代の初めまで、京都の町の家々には農家のおばさんが「はったい粉ありますけど」と言って売りに来ていたと聞いています。
この「はったい粉」、関東地方では「麦こがし」と
呼ばれていたそうですが、その名前からも分かるように
大麦の粉=乾煎りした大麦を石臼で挽いて粉にしたものです。
麦の収穫期に合わせ、初夏になると出てきたようです。
やはり日本でもねりねりにして食べていたようです。
あとは「粥状にして食べる」「焼くこともある」も各国の食べ方と共通のようです。
ポレンタはどうやって食べられている?
イタリアのポレンタの食べられ方はこんな感じらしいです(リンク先記事参照)。パーティだと大鍋に作ったものを取り分けて色々な食材を混ぜて味付けをするようです。
ポレンタ手作りパーティー・・・北イタリアの風味
ポレンタの歴史は非常に古くギリシャなどでも大麦を原料にして食されていましたが、大麦、小麦、蕎麦粉、などのトウモロコシ以外の各種穀物を原料に作られていました。トウモロコシはコロンブスのアメリカ大陸発見に伴って、ヨーロッパに持ち込まれたものだったからです。
また北イタリア以外でも、ハンガリー、スイス、オーストリア、クロアチア、スロベニア、アルバニア、ルーマニア、ウクライナなどの北東ヨーロッパ各国でも常食されています。
はったい粉の『粥』
日本のはったい粉に戻って資料を探してみます。
ねりはったい|きちんとレシピ|フードソムリエ
大麦を煎って挽いた<はったい粉>。消化しやすく、素材の甘みと香ばしさが魅力です。粉にお湯を混ぜて練るだけですが、簡易食、携帯食、非常食としても使えます。
リンク先のレシピでは、はったい粉3に対して砂糖1という比率です。割と思い切って入れてるな!
2006年 09月 21日
麦焦がし : ばーさんがじーさんに作る食卓
ライターさんのブログに出ていたのは、お茶のようにうすく溶かしていらっしゃいましたけど、私のこどもの記憶のは、こんなにこてこてなのです。(リンク先の写真参照)
このブログを書かれている方は、この記事の時点で「70才+α」とプロフィールに記載しています。子供の頃ということで65を引いて「1941年/昭和16年」前後のお話のようです。
はったい粉単独で「粥」にすると、そばがき的な固さで作って食べていたようです(少なくともすするような固さではない)。
それとは別で、米粥に入れて食べていたという「郷土料理」のレシピを見つけました。
郷土料理講座・・・・はったい粉粥?食べたことある??
お粥に、ただはったい粉を入れただけなのです。
夏に、食欲がない時など、冷たく冷やして、そのうえ氷をのっけて、超ガンガン冷たくしていただくと、夏バテによく、食欲も増すんです。島人が、考え出したお粥です。
それでは、作り方をご紹介しましょう。材料
・米 2カップ
・はったい粉 50g
作り方
1 米は、サッと洗って水カップ10を入れ、普通にお粥を炊く2 はったい粉を水で溶いて、1 に加え一煮立ちさせて、冷やしていただく。好みで、氷を入れてもよい。
こちらは
場所はどこだろう、と思ったら「徳之島町」だそうです。
徳之島 鹿児島の南南西492キロ、奄美群島のほぼ中央に位置している
oh…..なんかすごいのきた。
暑い地域でははったい粉を入れた粥で暑気を凌いでいたんですね。
はったい粉を入れるお粥に茶粥があります。
茶粥について調べていた所、麦粥の話等にも触れていて、昔の日本人の食生活について調べた論文があったのでありがたく拝見。
東北学院大学論集 歴史と文化 第52号
茶粥考│主食品をめぐる食事文化のローカリティ│加藤幸治
茶粥考―主食品をめぐる食事文化のローカリティ―
A Study on Rice Gruel Boiled in Tea : The Locality of Gastronomic Culture
とか紆余曲折していたら
別の項目でも書いたので既に読んでいるかもしれませんが。
大麦食品推進協議会
平安初期に編纂された『和名類聚抄』には「米麦を乾かし、これを炒って粉にし、 湯水に転じて服す。これを『みずのこ』あるいは『はったい』という」と記されています。
日本でも昔から食べてましたね!はいこの項目終了!!!
……と言いたいところですが、裏取るために『和名類聚抄』(平安時代の辞書)を一度あたったほうが良いような気がしました(メモ)。でもちょっとぐぐってみたけど自分の知力だと読めない気がする…。和名類聚抄から「糗/麨(はったい)」を探すとかむりむむりむりむりり。
糗=今の中国語で「古代の干し飯」「長い間弱火でとろとろ煮る」とかいう意味があるそうな
麨=(中国語だと麺って漢字が小麦粉そのものも指すって聞いた)
二十巻本和名類聚抄[古活字版] 和名類聚抄 巻十六
巻16・飲食部第24・麴糵類第209・16丁表8行目 大豆麨 食療経云大豆麨[尺紹反字亦作𪍑和名末女豆木]勿与一歳已上十歳已下小児食之気壅而死
漢字だけで探したのでこの項目じゃないような気もするのですが、とりあえずはここしかなかった。全く読めないけど1歳から10歳までの子供の食べ物として「大豆麨」を食わせる的なことが書いてある雰囲気が…。
和名類聚抄の古活字版20巻本をデジタル化したものから検索したのですが、大麦食品推進協議会の記事は何のどこを参照したのかを知りたい…。20巻本だと食べ物が16巻、穀類が17巻らしいのですが…。
※和名類聚抄は古い本なので、伝わっている写本が(大雑把に言うと)「十巻本」と「二十巻本」の2系統存在して、構成もそれぞれ異なる。実際は更に細かくいろいろな写本がある。
代わりにこんな記事を見つけました。
古くは平安時代の頃、穀物を主食として使用する傍ら、炒って粉にする糒(ほしい)加工が行われるようになると、麦を糒加工してお湯の中に溶かして飲んでいたといいます。これ
が麦茶の元祖であると考えられます。この頃の麦を糒加工し
たものを「みづのこ」、「はったい」、「炒り粉」、「香煎」、
「麦こがし」等と呼ばれて親しまれてきました。
和名類聚抄などに書いてはあるっぽいのですが、いまのところ出典探し中。
端っこの方に行くと都の昔の文化が残っている等よく言われますが、このはったい粉を練って食べる食べ方もひっそりと全国の何処かに残っているようです。
はったい粉と蜂蜜
はったい粉と砂糖が合うんだったら、蜂蜜と合わせたレシピもどっかにあるよね!と思って探してみたら、愛媛県がなんかキュケオーンっぽいもの開発してた。
はったい粉の栄養がドリンクに?愛媛県で「はだか麦ラッシー」商品化
はったい粉は六条大麦のうち、皮がはがれやすい品種(裸麦)を煎って粉にしたものです。もうすこし細かく言うと、モチ性の裸麦(もち麦)の粉です。ちなみに麦茶の原料となるのは、皮がはがれにくいほうの六条大麦です。
裸麦は西日本で生産が盛んで、特に愛媛県では県の特産品として生産量が28年連続日本一という記録を持っています。
麦類は輸入がほとんどですが、最近は水田の転作作物として、海外の麦と十分対抗できる品種が開発されてきています。愛媛の場合は、「マンネンボシ」と「ハルヒメボシ」という品種を栽培しています。
はだか麦ラッシーについて(27年度地域資源パワーアップ事業)
当該事業において、来年開催予定のえひめ国体・えひめ大会に向け、愛媛マラソン、サイクリングなどスポーツの盛んな中予において、地元食材を活用したドリンクのレシピを開発するに至りました。
≪はだか麦ラッシー(プレーン)≫(1人分)
裸麦(はったい粉)18g、牛乳 100ccプレーンヨーグルト 50g、はちみつ 20g
【栄養素】
エネルギー227kcal、食物繊維2.8g、カルシウム178mg、
マグネシウム40mg、鉄分0.8mg
愛媛マラソン(などスポーツ競技)用のドリンク…。マラソンと言うとオリンピック、オリンピックというとアテネ。
知らんかった愛媛はギリシャだったんじゃ…。
それはさておき乳製品・はったい粉(愛媛県産)・蜂蜜、と飲みやすそうな飲料です。
あとはワインとチーズが入っていれば完璧ですが、ここにどうやってワインとチーズを追加するか………。
はったい粉マジ万能
ワインにギリシャのフェタチーズを溶かす飲み方が割と合うのはわかった(他の方の記事で)。
はったい粉と乳製品と甘み(砂糖や蜂蜜)が合うのもわかった。
しかし、赤ワインとはったい粉を悪魔合体させた食べ方は流石にないだろう………
あったよ。
マジか
マニアックなワインベースカクテル
今日はチュピルカというチリのカクテルをご紹介
赤ワインをベースに、はったい粉と砂糖を加えて作るカクテルで、正直なところ、あまり日本人にはそそられない内容かなと思います。笑
*はったい粉とは、焼いた大麦の粉で、落雁などの原料にもなっています。
きな粉のように使うことも出来ます。
実は僕自身飲んだ事がないので、感想などは言えませんが、現地だとカフェの定番メニューとのこと。
つまり、かなりメジャーなドリンクということですね。笑
マジか。
2009/11/28
チュピルカっていう飲み物
さて、問題のチュピルカっていうのは、トーストした小麦粉と砂糖を赤ワインに入れて、混ぜ混ぜしたもの。人によっては????という印象を抱くかもしれませんが、自分自身は最近、知人と「おちらし」の話をしたばっかりだったので、かなりピンときました。
おちらしというのは、地元の福井あたり(辞書でも「散らし」が別名で出てる)での呼び名。大麦などを煎ったもので、一般にははったい粉(関西の呼び名とか、辞書や歳時記の見出しはこっち。季節は夏)とか麦こがし(栄養成分表はこちら)とか。小麦と大麦の違いはあれど、粉の焦げた香ばしい香りは共通の筈です。
で、実はうちの父親もおちらしが大好きらしく、さらに赤ワインも好きなので、その二つが、すんなりと自分の中でイキナリ直結して、即実作しました。また具合のいいことに、いつもの家飲みの紙パックワインはチリのカベルネソーヴィニョンです。
(分量・レシピはリンク先でご確認ください)
予想どおり、赤ワインの酸味と渋みを、麦こがしの香ばしさと砂糖の甘さがつないで飲みやすい。少し粉っぽさが残るような飲み口も、なんだか懐かしさをそそって、楽しい飲み物です。
(中略)
かなり熱めの赤ワインを、おちらしと砂糖を混ぜたものの中に混ぜ、あとはよーく掻くだけ。見た目は沈んだ赤紫の、ちょっと怪しいペーストだけど、おやつにも、お酒のお伴にもいける素敵な味わいです。
マジかよ。
なんかこうはったい粉使った路線でおいしいキュケオーンいけるんじゃね!?
という気持ちになった所で今回はここまで(ミントからは盛大に目をそらしつつ)