大魔女曰く「ポリッジじゃないぞ!私が作るのは麦粥”キュケオーン”だ!」
なるほどなるほど。
ところで「ポリッジ」ってなに?
食べる人が続出中!イギリス定番の朝食「ポリッジ」とは?
ポリッジってどんな食べ物?
ポリッジは、日本でいう「おかゆ」のような位置づけの料理なのですが、決定的に違うのは日本のおかゆは水や出汁で炊くのが一般的。それに対し、ポリッジは “牛乳”で煮込むことも多いということ。なかでもオーツ麦(オートミール)を牛乳で煮込んだポリッジが定番なのだとか。海外ではよく食べられていて、特に イングランドやスコットランドで親しまれているのだとか。オーツ麦と言われてピンとこない人もいるかもしれませんが、シリアル食品「グラノーラ」に、麦や玄米などと混ざって入っていることが多い穀物です。スーパーでは、コーンフレークやシリアルと並べて売られているところもあるそう。
なるほどなるほど。
大魔女はキュケオーンをこの「牛乳で煮たオーツ麦(ポリッジ)」とは別、と断言しているわけですね。
(古代ギリシャ・ローマだとオーツ麦は家畜の飼料だったと考えられています。なので「自分の作る粥は材料から違う高級品」と強調したかったのかも)
ポリッジの材料のオートミール(oatmeal)は、半加熱調理したオーツ麦(燕麦)で、基本的には短時間の加熱で食べられる加工麦です。
日本でいうとアルファ米ですね(災害保存食・登山等の携帯食・インスタント食品などに使われている、水を注いで食べられる米、アレです)。
オートミールをグラノーラと勘違いして、無加熱・味付け無しでも食べられると思ってそのまま食べてしまい「なんだこりゃー?!」となる人も多いそうです。
そもそもなんでオートミールという半調理した麦を使うのかと言うと、生の麦だと煮えるのに時間がかかって手間がかかってしょうがない、という理由があります。ポリッジは朝食によく食べられているそうですが、たしかに朝から麦を何十分も煮てかき回したくない…。
オートミールは加工状態によって加熱時間が変わってくるそうなので、購入時・調理時はまずはパッケージの説明に従ってください。
さてこの「煮たオートミール」こと「ポリッジ」、家庭で作れるアイルランド料理では下記のような説明がされています。
*理想的な朝食、ポリッジ
小麦粉で作ったパンやじゃがいもが主食になる以前、アイルランドではオーツ麦のお粥ポリッジが主食でした。日本ではオートミールと呼ばれ、好き嫌いがわかれる食べものですが、嫌いという方もアイルランド産のオーツを煮ればそのとろ~りとした食感と穀物の素朴な甘みで印象が変わると思います。オーツは寒くて湿った土地を好むので、アイルランド産やスコットランド産がおすすめです。
アイルランドでは、コーンフレークスなどの手軽なシリアルが出回っても、ポリッジがすたることはありませんでした。北国では冷たい牛乳をかけただけの朝食が楽しめるのは夏の間だけで、身体をしんから温めるポリッジの人気は不動です。滋養が高く、ゆっくりとエネルギーにかわるために腹持ちがいいので、今も昔も変わらず理想的な朝食です
p61「朝食の話」より
本のp62にはポリッジのレシピも載っていますが、そこにある記述も興味深いです。
長いこと、オーツは牛乳で煮るものだと思っていたが、質のよいオーツは水で煮るだけでおいしいことをアイルランドで発見した。
煮る時点では水と牛乳だけですが、出来たあとの好みのトッピングとしてバター・生クリーム・蜂蜜・レーズン等を挙げています。
このオーツ麦、他の麦と比べて粘りのある食感があるのだそうです。
あとはこちらの記事に、オートミールの素の種類について紹介があります(麦の加工状態が異なる商品とその名称)。
簡単!おいしい!オートミールの食べ方&アレンジレシピ集
更に詳しい種類の説明はこちら。上の記事とあわせて読むと、加工の種類と、調理の所要時間についてよくわかります。
オートミール・ダイエット・離乳食レシピ – オートミールとは
オートミールの加工の種類として「カットオーツ」「テーブルオーツ」「クイッククッキングオートミール」「インスタントオートミール」「ベビーオーツ」があげられています。それぞれの特徴はリンク先の記事にて。
調理時間や食感によってこんなに種類があるんですね。
こちらは、知っているようで案外知らない「牛乳をかけて食べる穀物製の加工食品」の違いの説明です。
意外と知らない「グラノーラ」「オートミール」「ミューズリー」の違いまとめ
あーたしかに最近麦にドライフルーツ混ぜた商品あるある…。
ポリッジを食べてみたい
紹介している各記事でオートミールが紹介されているので、自分も個人的におすすめの国内メーカーのオートミール貼っときます。20.12月時点で6kg 2,800円 & 配送料無料。店舗販売と通販があります。
販売元はここです 株式会社ライスアイランド(岐阜市)
岐阜米穀のグループ会社で、米や雑穀の卸系の会社の直売小売なのでお安く購入できます。
このメーカーの国産丸麦(米と混ぜて炊く)は東急ストアでも扱っていました(常食)。雑穀コーナーを探せば他のお店にも置いてあるかもしれません。
東京の実店舗の説明はこちら。「穀物繊維倉庫@有楽町交通会館」
有楽町駅前(銀座側)の交通会館1Fで秋田のアンテナショップの近くです。通販前に先に1袋買って味見してみようという方にもオススメ。
雑穀類が色々置いてあるので、店に入ったら「コレこそ私の求めていた店!」となるかたもいらっしゃると思います。そして同フロアや地下の北海道アンテナショップ・各県アンテナショップで更に散財するわかります。
お店の写真とか行ってきました記事「穀物繊維倉庫@有楽町交通会館」
実店舗に行けない、重い荷物持って帰るのがきつい人はこちらの通販をどうぞ。
ライスアイランド オーツ麦フレーク 1kg×6袋
リンク先にユーザーレビューや、調理時間とか水加減とかのカスタマー Q&Aが載っているので、わからないことがあったら覗いてみると良いと思います。
ポリッジのレシピ / オートミールを使ったレシピ
色々な食べ方ができるのが分かっていると、オートミールの大袋も買いやすくなると思います。
ポリッジ(粥)として作るレシピと、オートミールを使った料理(ひき肉に混ぜ込んだり、煎餅のように焼いたり)を紹介します。
ポリッジ、というオートミールで作った粥。牛乳や甘い味付けだけにこだわらず、自分好みの味付けを探して試してみてください。
朝食にオートミール(ポリッジ)
基本のレシピをわかりやすく写真付きで解説しているweb記事があったのでご紹介。「定番の“当たり前”を見直す 新しい料理の教科書」 などの著書がある樋口直哉さんのnoteです。
※2021/4/12まで配布のDMMブックス電子書籍70%OFFクーポン対象(リンク先参照)
こちらの記事では火加減の注釈はなく「好みの硬さになるまで煮ればOK」となっていますが、「家庭で作れるアイルランド料理/松井 ゆみ子 著」では火にかける時間や材料を入れるタイミングをもう少し細かく指定しています。
レシピに明確な決まりはないようなので、購入したオートミールの説明書きを読みつつ自分のお好みでどうぞ。
朝食にオートミール(ポリッジ)
記事の方は昆布だしに白味噌が好みとおっしゃっています。
日本だと穀物の牛乳煮とか甘く煮たものはあまり食べ慣れていないのもあってか、穀物の味付けは塩味のほうが好まれる傾向がある気がします。
オートミールはお茶漬けの素で食べてもおいしいという話も聞きます。
オートミールの和風粥
和風塩味のレシピはこちらを参考にどうぞ。火加減等はあまり細かく説明されていないので、分量や付け合せの参考レシピという感じです。
オートミールの和風粥
鶏ささみとカボチャとしょうがの和風オートミール
和風オートミールのもうちょっと手間がかかったもの
ツルンとしたささ身とトロッとしたかぼちゃで、口当たりが柔らか。しょうがの香りが食欲をそそり、オートミールが苦手な人でも、スルスル食べられます。
オートミール入りロールキャベツ
洋風メニューのヒントとしてこちらのレシピを。お粥は上記の和風同様に行けると思うので、別路線でロールキャベツのたねにオートミールを混ぜ込むレシピをご紹介します。
お粥だけでは飽きるので、ハンバーグ・肉団子等を作る際の分量の目安にどうぞ。
簡単 オートミール入りロールキャベツ
〈スパイス&ハーブで驚きの味わいに! オリジナルオートミールレシピ〉
エスビー食品提供の記事「食べたくなるオートミール[これぞうさんの鉄板レシピ]」です。
こちらの記事ではオートミールを米のように使うレシピとして「和:スパイシーごまぬれ煎餅」「洋:バジルピラフ」「中:麻婆飯」が紹介されています。
お粥として食べるのもちょっと飽きたな、お粥として作らないレシピを知りたいな、という時にどうぞ。
食べたくなるオートミール[これぞうさんの鉄板レシピ]
記事内の「クイックオーツ や ロールドオーツ」がわからない人はこちら(先に貼っていた記事と同じリンクです)。
オートミール・ダイエット・離乳食レシピ – オートミールとは
同様の「お粥ではなくパラパラで食べたい」レシピをもっと沢山知りたい人はこちら。
ダイエットにも!オートミールの米化
オートミールがお米のように食べられます♪
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5分レシピ フリーズドライスープでオートミールと野菜の洋風おじや
お粥を更に手を抜こう!こちらの記事では「フリーズドライの野菜スープと一緒にお鍋で加熱するだけの時短レシピ」が紹介されていて「なーるーほーどー」となりました。
オートミールダイエットの正しいやり方!管理栄養士直伝「5分レシピ」3選も紹介
上の記事では5分と言っていますが、手元のオートミールが長時間煮るタイプの場合はそちらに調理時間を合わせてください。
参考で、オートミール粥にしたら美味しそうなフリーズドライスープ置いときます。通販以外にお近くのスーパーでも色々あると思います。
コスモス食品 Nature Future 生姜スープ 10.6g ×10袋
コスモス食品 Nature Future ケールスープ 10.0g ×10袋
コスモス食品 フリーズドライ 化学調味料無添加 長期保存 スープお得セット 8種類 24食入り
デサート的なポリッジ
最後に甘いものを。
最近流行ってる感じのデサート的なポリッジのレシピです。
イギリスで人気の温かい朝食。「ポリッジ」のアレンジレシピ7選
これ系レシピ。
キュケオーンの記事でもイメージ画像として貼り付けてます。
健康にいいオーツ麦を半調理した食材「オートミール」。
自分にあった食べ方で食事に取り入れて元気に過ごすため、長続きさせるのコツは好きな食べ方を見つけること。
上にあげたレシピ例をヒントに、好みの食感や味付けを見つけてください。
ポリッジとはなんぞや
ここからは「ポリッジ(粥)」についての補足説明なので、「ポリッジ(料理名)/オートミール」の調理方法やレシピについて知りたかった人はここまでで大丈夫です。
基本的には「ポリッジ」=「ヨーロッパの粥料理でオートミールを使ったもの」という「限定材料の特定の料理の名前」という、狭い意味での使われ方が一般的みたいです。
ですが「porridge」という単語は「おかゆ」を指す語であって、広義だと「使う穀物に関わらず、穀物を煮た料理全般」を指しています。
なので、おそらく外国で「porridgeを食べたい」とだけリクエストすると、オーツ麦のお粥以外のものが出てくる可能性も結構あると思います。
こちら英語圏でのPorridgeのwikiです(Google Chrome等の翻訳プラグインや翻訳サイトを使ってお読みください)。
https://en.wikipedia.org/wiki/Porridge
5品種
5.1トウモロコシ
5.2キビ
5.3オート麦5.3.1オート麦の種類
5.3.2準備
5.4ご飯
5.5ソルガム
5.6小麦
5.7その他
このように、お粥に使われる穀物全般について扱っています。
粥(料理)の起源については下記のように解説されています(機械翻訳)。
起源
歴史的に、お粥でした主食ヨーロッパやアフリカなど、世界の多くでは、それは世界の多くの地域で主食のまま。お粥は、狩猟採集民によって旧石器時代に最初に生産されましたが、新石器時代には一般的な場所になりました。この料理は伝統的にスコットランドと密接に関連してきました。おそらく、オーツ麦は辺境の高地土壌でうまく栽培できるからでしょう。
1775年、サミュエル・ジョンソン博士は、オート麦は「イギリスでは一般的に馬に与えられるが、スコットランドでは人々を支える穀物」であると書いた。オート麦は西暦600年頃にスコットランドに導入されましたが、2、500年前のアウターヘブリディーズ諸島で発掘された鉢から大麦のお粥の痕跡が見つかりました。
古代だと脱穀・製粉技術が発達していなかった、すぐに籾殻が外れる品種が生まれていなかった、おそらく当初は土器で煮るなどの調理方法が主だった、などの理由で、人類はまずはお粥を食べていたと考えられています。
英語だと、アジア圏のお粥については「Congee」の項目が詳しいようです。
https://en.wikipedia.org/wiki/Congee
3地域の品種
3.1東アジア
3.1.1中国
3.1.2日本
3.1.3韓国
3.1.4台湾
3.2東南アジア3.2.1ビルマ
3.2.2カンボジア
3.2.3インドネシア
3.2.4ラオス
3.2.5フィリピン
3.2.6シンガポール
3.2.7タイ
3.2.8ベトナム
3.3南アジア3.3.1インド
3.3.2スリランカ3.43.4ヨーロッパ
3.4.1ポルトガル
なお日本のwikiだと、「粥」の項目は日本の米粥の話がメインです。
https://ja.wikipedia.org/wiki/粥
「ポリッジ」も日本のwikiには項目はなく「オートミール」の項目に統合されています。
https://ja.wikipedia.org/wiki/オートミール
ポリッジ(粥)(porridge)
現在では調理時間の短縮のために、押し燕麦やつぶし燕麦、その他のインスタントオートミールでポリッジを作ることも多い。伝統的な料理法に比べると味や食感に劣る。また最近ではオートミールにお湯を注ぎ電子レンジで柔らかくしてお粥ベースとしてお好みの食材をアレンジして朝食をするなど親しまれている。
この項目では「伝統的なオートミール・ポリッジの料理法」という箇所がありますが、出典について記載されていないのでまあ参考程度で…。
(出典は脳内という記事も割とよくあるので、wikiについては調べ物の取っ掛かりやヒントを得る程度に収めるのがオススメ。記事の内容からどの方向の本棚を当たるかの方向性の参考にする程度はいいが、wiki だ け を資料に使うのはおすすめできない)
以上、ポリッジの話でした。
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