調べたこと

[メモ]播磨に陰陽師のルーツをもとめて「はりま陰陽師紀行」について

投稿日:2021-01-06 更新日:

芦屋道満に興味を持ったので、今話題の本「はりま陰陽師紀行」に興味を持ったけど、そもそもどういう内容の本なの?自分が読んでみたいこと書いてあるの??という情報が欲しい人に向けて、本の内容(目次・各章見出し)と、執筆されている各先生の書籍を紹介します。

復刊ドットコムへの投票の参考にもどうぞ。

 

【21.6.21 復刊ドットコムでの新装復刊が決定したそうです】

購入はこちら
復刊ドットコム
amazon 2021/8/25発売予定

 

新装版表紙は古海鐘一先生が担当しました。


【amazon】はりま陰陽師紀行

出版社 ‏ : ‎ 復刊ドットコム (2021/8/25)
発売日 ‏ : ‎ 2021/8/25

今も残る陰陽師、安倍晴明・蘆屋道満の足跡をたどる名著が、待望の復刊決定!!

本書は2005年に開講された播磨学講座「陰陽師のふるさと播磨」をもとに構成されたものであり、夢枕獏をはじめとする講師8名の執筆による。播磨には陰陽道が伝承されているが、多くの陰陽師の中でも安倍晴明と蘆屋道満は、小説・能・歌舞伎・映画・漫画等々、扱われる作品は枚挙にいとまがない。
ゲーム「Fate/Grand Order」で彼らを知った人々もいるだろう。
今回、500票を超える熱い復刊リクエストにお応えし、カバーデザインを一新しての復刊が決定!
あなたを陰陽道の世界へ誘う一冊!

▼内容
夢枕獏… 日本人と陰陽師
沖浦和光… 播磨・広峯信仰をめぐって
田中久夫… 播磨と陰陽師
田中貴子… 安倍晴明 イメージの変遷
酒向伸行… 憑霊信仰と陰陽師
木場明志… 陰陽師とこよみ(暦)
林淳… 江戸時代の陰陽師
沖浦和光… 陰陽師の実像をさぐる
◆はりま陰陽遺跡案内 -旭堂南海
◆文芸・芸能史からみた安倍晴明 -田下明光
◆暮らしの中の陰陽道・道教 -田下明光

※本書は、2006年・神戸新聞総合出版センター刊『はりま陰陽師紀行』を新装復刊するものです。

 

面白そうな本が発売されたのでこちらもご紹介します。本文見本はリンク先にあります。

【2021/8/30】陰陽師の解剖図鑑 

陰陽師の解剖図鑑

 

 

 

旧版 内容紹介

はりま陰陽師紀行 (のじぎく文庫)   播磨学研究所 (編集)

播磨に陰陽師のルーツをもとめて。今も残る安倍晴明・蘆屋道満の足跡と暮らしに息づく陰陽道の世界。

出版社 : 神戸新聞総合出版センター

発売日 : 2006/4/1

単行本 : 253ページ

ISBN-10 : 4343003582

ISBN-13 : 978-4343003584

本のレビューはリンク先にて はりま陰陽師紀行 (のじぎく文庫)

 

 

以下は「はりま陰陽師紀行」目次です(2~6頁より引用)

目次

★夢枕獏
日本人と陰陽師 7
はじめに/五芒星は太陽のマーク/五芒星のルーツは雲南省/雲南省と弥生文化/西王母と安倍晴明/日本の三本足の烏/安倍晴明と八咫烏のつながり

★沖浦 和光
播磨・広峯信仰をめぐって――牛頭天王と蘇民将来説話 33
広峯神社の起源/霊符「蘇民将来之子孫也」/牛頭天王と祇園社/聖なる牛と「生贄の儀礼」/「牛馬を殺して、神に祈る」 播磨・吉備の地誌/古代播磨国と渡来人/「陰陽道の祖」とされた吉備真備

田中 久夫
播磨と陰陽師 63
はじめに/慶滋保胤に諌められた法師陰陽師/晴明の力を試そうとした智徳/晴明も一目置いた蘆屋道満/播磨の実在の陰陽師たち/播磨と天体観測

★田中 貴子
安倍晴明 イメージの変遷 93
はじめに/晴明現象/『今昔物語集』に見る晴明説話/待ち望まれたスーパースター/真備・仲麻呂と晴明/個人のための陰陽師へ/清少納言と紫式部が描いた陰陽師/ライバル・賀茂光栄/おわりに

★酒向伸行
憑霊信仰と陰陽師 ――「疫鬼」を中心として 121
はじめに/古代の病因「もののけ」/官人陰陽師と法師陰陽師/病因としての「鬼」/「日本霊異記』の鬼/「善家秘記一の鬼/百鬼夜行する鬼/鬼と陰陽師

★木場 明志
陰陽師とこよみ(暦) 151
こよみ(暦)を管理していた陰陽師/古代のこよみ(暦)制度と陰陽道・陰陽師/平安貴族とこよみを利用した日記/中世における民間の暦座の出現/近世初期の京都暦座と大経師/貞享改暦以後の版暦と陰陽師/播磨地域のこよみ(暦)/播磨の陰陽師/未知の課題―播磨におけるこよみ(暦)と陰陽師

★林 淳
江戸時代の陰陽道 181
陰陽道とはなにか/幕府と陰陽道/江戸幕府と陰陽道/改暦と天の思想/貞享改暦と幕府天文方/綱吉の朱印状と陰陽師編成/江戸時代の陰陽道の特質

★沖浦和光
陰陽師の実像をさぐる 官人陰陽師と民間陰陽師 211

遊芸民と陰陽道/神聖な芸能「翁」/「ケガレ」の制度化と陰陽師/「触穢」を恐れた貴族社会/晴明伝説をめぐる実像と虚像/安倍晴明の出自と家系/陰陽道に関わる八つの問題群/播磨地方と魔屋道満伝説/佐用町の道満塚と晴明塚/浮かび上がる道満の原像/蘆屋道満伝説が伝わる「万歳」村/高室芝居の起源と歴史/陰陽師触頭・高崎播磨/陰陽師集団だった東高室村/全国で産一残った播州歌舞伎

 

はりま陰陽遺跡案内 ― 旭堂南海
〈其の一〉 加古川市西神吉町「正岸寺」から「コケ地蔵」 58
〈其の二〉 播磨各所に伝わる「道満屋敷」「道満井戸」90
〈其の三〉 神戸市西区平野町の「晴明ゆかり石」118
〈其の四〉 佐用郡佐用町に残る「道満塚」「晴明塚」148

文芸・芸能史からみた安倍晴明 ― 田下明光
〈上〉 能・説経節・浄瑠璃・歌舞伎 176
〈下〉 小説・映画・テレビ・漫画 204

暮しの中の陰陽道・道教 ― 田下明光 244

播磨は陰陽師の原郷 ― あとがきに代えて 250

執筆者紹介 253

◆本書は二〇〇五年五月から十一月にかけて開講された播磨学特別講座「陰陽師のふるさと播磨」をもとに構成したものです。

 

 

 

 

沖浦和光氏 著書

目次を見ての通り、「はりま陰陽師紀行」は沖浦 和光氏のページが一番多いです。

 

沖浦 和光(おきうら かずてる、1927年1月1日 – 2015年7月8日)は、日本の社会学者・民俗学者。桃山学院大学名誉教授。芸術論、社会思想史、比較文化論が専攻だが、もっぱら被差別民などの研究を行う。

https://ja.wikipedia.org/wiki/沖浦和光

なるほどー

 

アニメーターの沖浦啓之は甥。

まって(まって)。

 

それはさておき。沖浦和光氏の著書の中でタイトルに「陰陽師」と入っている本を2冊ご紹介。とくに2冊めの「陰陽師とはなにか: 被差別の源像を探る (河出文庫)」 は2017年の本ということもあり入手しやすいようです。

本の内容(自分が読んでみたい本か)については、2冊ともリンク先にレビューが寄せられているので、そちらを参考にすると良いと思います。

 

 

陰陽師の原像―民衆文化の辺界を歩く[2004/10/15]遍歴の遊芸民と民間信仰を担った陰陽師.出自から民衆の中に生きた姿まで,その実像を描く

空前の安倍清明ブームの中,陰陽師は呪術を操る英雄として描かれている.しかしその実像は違う.各地を遍歴しながら卜占・祈祷・修祓・呪禁などの民間信仰を担い,猿楽や曲舞などの余興を演じた.出自は鉢叩き・茶筅・院内・夙・宿などと称された雑種賤民が多い.本書では民衆の中に生きた陰陽師の姿を歴史的に明らかにする.

■著者からのメッセージ

本書で論じた陰陽師は,安倍晴明に代表されるような朝廷に仕えていた官人陰陽師ではない.古代からのの仲間とみなされ,その社会的ポジションも低いとされていた民間陰陽師である.
中世前期の時代では,かなりの史料が残っている官人陰陽師に比べると,民間陰陽師の関連史料は微々たるもので,その実像が具体的に描かれることはなかった.
室町時代に入ると,さまざまの史料に民間陰陽師が姿を見せるようになった.彼らは,農耕を基幹とせず,雑業・雑技にたずさわり,得体の分からぬ巫術や卑俗な遊芸にたずさわる「道の者」として出てくる.そして彼らの民俗と生活は,日本文化史の隠微な闇の領域として歴史の深部に埋め込まれてきたのであった.
しかし,彼らが産み出した〈遊芸の世界〉は,「既成の中心的秩序をゆるがす豊饒な闇であり,新たな混沌を予示する周縁の世界」ではなかったか――そういう問題関心のもとで,散所非人・声聞師などと呼ばれた下級の「」が,民間陰陽道だけではなく,広く遊芸の道を切り開いていく歴史についても論じた.

https://www.iwanami.co.jp/book/b261361.html

 

 

 

陰陽師とはなにか: 被差別の源像を探る (河出文庫)[2017/2/7]

陰陽師は平安貴族の安倍晴明のような存在ばかりではなかった。各地に、差別され、占いや呪術、放浪芸に従事した賤民がいた。彼らの実態を明らかにする。

https://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309415123/


 

 

 

上記の2冊はタイトルに「陰陽師」と入っていて分かりやすいですが、タイトルに文字が入っていなくても陰陽師に触れている著書がある気がします。気になる人は著書一覧から当たってみるといいかと思います。

カーリルの「沖浦和光」での検索結果

※wikiにも著作一覧があります。最下段「外部リンク」に更に詳しいリストPDFあり。

 

 

 

 

田中久夫氏 著書

おそらく「芦屋道満に興味を持った」のがきっかけで「はりま陰陽師紀行」を読みたい人が一番気になっているのではと思う項目「播磨と陰陽師」の章を執筆されたのが田中久夫氏です。

今回紹介するのは論文まとめ本の5巻なので、論文まとめ1~4にも興味深い話が収録されている可能性がありますが、とりあえずはピンポイントでこちらの「第5巻 陰陽師と俗信」を紹介します。

【内容参考 (全5巻) 】     

 

陰陽師と俗信 (田中久夫歴史民俗学論集) 2014/10/1

田中久夫氏(御影史学研究会名誉代表理事・神戸女子大学名誉教授/1934年生)の業績を全5巻に編集。各巻に解説を付す。本巻には、新稿(*)を含む以下の13論文を収録。

【主要目次】

第一章 陰陽師と天体観測

第一節 備前・備中の陰陽師の占める位置  ―奈良・平安朝初期を中心に―

第二節 播磨と陰陽師

第三節 平安時代の天体観測に関する覚書

第四節 安倍泰親・泰茂父子と安倍時晴の天体観測のこと  ―『玉葉』の中から―

第五節 慶滋保胤と佐保の神と住吉の神  ―杣山の建築用材輸送をめぐる問題―

 

第二章 藤原氏と俗信

第一節 藤原氏の神と鹿

第二節 柿の俗信覚書 ―幸不幸の両面を持つ柿―

第三節 柿の民俗と藤原氏 ―興福寺の柿から庭の梢の柿へ― *

第四節 栗節供と関白大饗の甘栗使 *

 

第三章 神の乗り物

第一節 牛の民俗

第二節 牛に乗るということ

第三節 雷の通る道

第四節 鯉に乗る神覚書

 

解説:籔 元 晶

 

基本的には国会図書館・都立図書館・大学図書館の蔵書として置いてあるようなので、読みたい場合は国会図書館・都立図書館に行くか遠隔コピーサービスを使うかになると思います。

所蔵がある大学に所属している人は図書館に行けば読めるのでどんどん利用すると良いと思います(蔵書に利用記録が付く)。

蔵書がある、かつ一般の人が使える(入ることができる)大学図書館が近くにある場合は、問い合わせして気になる箇所をコピーという方法になると思います。

現在の状況だと大学構内に外部の人を入れるのは難しい可能性があるので、基本的には遠隔コピーサービスを行っている館の利用検討が一番現実的かなと思います。

https://ci.nii.ac.jp/ncid/BB16832772#anc-library

 

「はりま陰陽師紀行」と同内容なのか、もっと詳しく書かれた内容なのかまでは分からないので、遠隔コピーサービスを使うのなら、自分が何を読みたいかでどの本のコピーを取り寄せるか決めるといいのではと思います。

 

 

 

そのた

メモ代わりに「はりま陰陽師紀行」に執筆してる先生の本を並べておきます。

 

田中貴子氏

 

 

酒向伸行氏

http://www.iwata-shoin.co.jp/bookdata/ISBN978-4-87294-837-0.htm

 

 

木場 明志氏

こよみ(暦)について執筆された木場明志氏は、名著出版の「陰陽道叢書(1993)」の編著をされているそうです。

論文「近代における陰陽師のゆくえ」 大谷大学学術情報リポジトリ

 

 

林 淳氏

 【書評(PDF)】林 淳『 近世陰陽道の研究』 を読む

 

 

 

 

 

 

図書館で探したい

いろいろな読みたい本があるけど図書館に本があるのかわからない!という人のために、家から蔵書が確認できる、探せるサービスをご紹介。

 

カーリル https://calil.jp/

カーリルとは?
カーリルは、全国の図書館の蔵書情報と貸し出し状況を簡単に検索できるサービスです。

本を検索するときに地名を選択すると、その場所から近い図書館を自動的に選択して検索できるので、欲しい本が近くの図書館で貸し出し可能かすぐに分かります。

https://calil.jp/doc/about.html

お住まいの自治体の図書館のページでも蔵書検索ができると思いますが、自治体によっては利用者の使う端末は「所蔵がない本は検索結果に出てこない」という設定になっていたりして、「在庫に関わらずどんな本があるのか探したい場合」には不便なこともあります。

図書館に行くと、目当ての本の入っている棚付近を見回すと予想外の本が見つかる場合もあります。

色々な方法を使って読んでみたい本を探してみてください。

 

 

 

 

復刊希望の場合はこちらからどうぞ

目次見たけどやっぱり読んでみたい、図書館にも無さそう、手元に置いてゆっくり読みたい!というかたはこちら。

復刊ドットコム「はりま陰陽師紀行」投票ページ

 

または出版元の神戸新聞総合出版センターや、播磨学研究所に問い合わせてみてください。

 

 

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